21: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:09:02.55 ID:zj1cpJm00
男の子「ばいばーい!」
満足気な母子に右手で返し、下ろす流れそのままに左手首を見た後、壁のような背広の横から時刻表を確かめました。
そっけない書体で並ぶ単位抜けの数字の羅列。間違えの無いよう目を凝らしますが、どうやらバスは若干遅れてるみたい。
22: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:09:46.32 ID:zj1cpJm00
何してるのかな。
どこ見てるのかな。
会話とかしないのかな。
23: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:10:21.98 ID:zj1cpJm00
花丸「ちゃんと眠れたずら?」
ごとんごとん。がったんごっとん。
大小不規則なリズムで揺れながら、今日もスーツや制服姿をたくさん飲み込んでひた走る路線バス。
24: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:11:15.45 ID:zj1cpJm00
でも、花丸ちゃんは今の会話だけで伝わっちゃうんだろうな。
私の自慢の親友は、私の事なら何でもわかっちゃう子なんです。
花丸「いや、何でもはわからないずら」
25: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:11:55.02 ID:zj1cpJm00
ルビィ「花丸ちゃんだって一緒に泣いてた癖に・・・」
花丸「いやいや黒澤さんほどでは」
ちくしょうめ。
26: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:12:33.70 ID:zj1cpJm00
花丸「ルビィちゃんはきっと、人より頑張った分、目標に届かなかったことを呑み込むのに時間がかかってるだけ」
花丸「でも、もうすこし時間が立てば、受け入れられるはず」
花丸「千歌ちゃんだってそうだったでしょ?」
27: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:13:05.01 ID:zj1cpJm00
B子「おはよー」
少ししてから、この二年間の友人が現れました。
B子ちゃん(仮名)は、二年生の時に編入した先で出会った先住者、つまりは、同じスクールアイドル部の仲間です。
28: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:13:44.81 ID:zj1cpJm00
花丸「うるせえずら。むしろあの後帰って机に向かった私は褒められるべき」
B子「うーっわ・・・進路決まってないやつは辛いわぁ」
これ善子ちゃんが言ってたら足踏まれるだろうなあ。
29: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:14:13.14 ID:zj1cpJm00
B子「まあいいや。聞いて聞いて」
花丸「まあいいや?」
B子「私さっき他所の学校の子にサインねだられちゃった!」
30: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:14:53.19 ID:zj1cpJm00
すっかりしょげてしまったB子ちゃんは、いつものように部活やスイーツや勉強の事をつぶやく作業に入りました。
B子「あ、理亞ちゃんつぶやいてる」
ルビィ「っ・・・なんて?」
31: ◆b0Vu8MQV5UgY
2017/12/23(土) 00:15:19.96 ID:zj1cpJm00
この2年で歩き慣れた通学路、更に浦の星のそれよりやや広い校門を抜けた先、見上げた校舎には、出立前とは一つの違いがありました。
B子「・・・仕事早くない?」
ルビィ「・・・うん」
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