唯「等身大あずにゃんフィギュア!」
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10:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:01:45.44 ID:Glq8XdSL0
TV『近日等身大フィギュア化して販売されるあずにゃんこと中野梓さんですが依然行方不明です――警察の懸命な捜査が今も行われており――』
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以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:08:47.54 ID:Glq8XdSL0
律「澪!」

 りっちゃんが少し大きな声で澪ちゃんをとがめる。
 あずにゃんがいなくなって数日のうちは、「家出かな」なんてごまかしていた感情が、すこしずつ具体的な想像に変わっていくのをわたしたちは感じていた。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:18:47.25 ID:Glq8XdSL0
 そうやってみんながみんな、繕うようにお茶の準備をしている中、突然部室のドアが勢いよく開いた。

純「あのっ……みなさん見てほしいものが……!」

 あずにゃんの友達の純ちゃんだった。息を切らしながらケータイを片手に差し出している。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:28:40.26 ID:Glq8XdSL0
律「『限定23体抽選販売』?それがどうしたんだ」

唯「!! これ……!」

純「唯先輩、気づきましたか」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:33:23.70 ID:Glq8XdSL0
唯「みんな!買おうよ、等身大あずにゃんフィギュア!」

 わたしは必死になっていた。少しの望みでも、かけてみたくなっていた。

澪「でも、これって220万円もするんだぞ……私たちのお小遣いじゃとても……」
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:41:38.71 ID:Glq8XdSL0
 あれから1か月、あずにゃんはみつからないまま、わたしたちは等身大あずにゃんフィギュアの抽選発表日を迎えていた。

唯「発表、まだかな……」

澪「サイト、かなり重いな……きっとすごく多くの人がアクセスしてるんだと思う」
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16:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:47:02.64 ID:Glq8XdSL0
澪「私のは……ないみたいだ」

律「当たったのは……唯だけみたいだな」

 やった……! 等身大あずにゃんフィギュアが当たった……!
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:57:08.08 ID:Glq8XdSL0
 あれからさらに半年ほどたって、わたしはあずにゃんフィギュアの発送を待つ日々を送っていた。
 りっちゃんと澪ちゃん、ムギちゃんは大学に受かって、今は大学生活を送っている。
 わたしは……あずにゃんのことを考えると、なにも集中できなくて、浪人してしまった。

 代わりに、アルバイトを始めていた。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:06:39.98 ID:Glq8XdSL0
 翌日の昼間に、大きな段ボール箱が我が家に届いた。

唯「わぁ、あずにゃんの大きさだ」

 よいしょ、と持ち上げると、ずっしりとした重みを感じる。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:17:49.34 ID:Glq8XdSL0
唯「あずにゃん、わたしだよ、唯だよ」

 答えてほしくて、目を見て呼びかける。
 でもその目はいつまでも合う気がしなくて、瞬き一つしない。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:36:07.89 ID:Glq8XdSL0
唯「動いてよあずにゃん!! あずにゃん、等身大あずにゃんフィギュアになっちゃったんでしょ!? もういい、本物のあずにゃんに、戻ってよ!!」

唯「わたしが欲しかったのは、動かないあずにゃんフィギュアなんかじゃない!」

唯「続いていくはずだった、あずにゃんの未来がほしい!!」
以下略 AAS



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