大石泉の少しだけ色々あった日
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2:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:28:11.25 ID:MM0XByh4o

 大石泉は聡明な少女だ。年齢の割に、という枕詞は必要ではないし、大人顔負けに賢い。貴女は天才です、と言われると恐らくはそんなことはないと否定をするのだろうが、間違いなく大石泉という少女は、天才に分類されるだろう。
 なので、クールにどんな状況だって乗り切れる。だって天才なのだから。

 ──さくらとありすちゃんが両隣りで牽制しあっているこの謎の状況を乗り切れたら、私は天才かもしれない。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:28:38.15 ID:MM0XByh4o

 泉はわけもわからず、頭の中では疑問符が大量に浮かんでいた。
 いや、けっして本気でわけがわからないわけではない──というか、こうなった原因自体は知っている。何故なら経過があって、現在となっているわけで、その経過を体験してきているからだ。
 さて、現状を整理するべく、実際にあった出来事を思い出すことにしよう。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:29:04.81 ID:MM0XByh4o


『今日はイズミンの誕生日、プレゼントはわたしだよぉ♪』

『は? かわいい(もう、さくらはまた何を変な冗談を言ってるの)』
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:29:31.61 ID:MM0XByh4o

 確か、こんな感じだったはずだ。この後さらに、さくらとありすは如何に自分が泉に相応しいか意見をぶつけ合っていった結果、いつまでも続きそうだったので面倒くさくなった亜子により、

『もうそれなら二人ともプレゼントってことでええやろ……悪いけど、仕事があるから先行くな』

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:30:05.39 ID:MM0XByh4o

 それはともかく、二人をどうしたものだろう、と思考を巡らせる。主に、二人のその場の勢いのまま飛んでしまった思考回路について。勢いとは恐ろしい。

 そもそもさくらは本来のプレゼントを持ってきていたのだろうし、ありすにしても、ポシェットからはみ出ている、可愛らしいリボンをあしらった小さな包み紙を見るに、ありがたいことに何かしら用意してきてくれているのだろう。
 本来の目的(とても嬉しいものだ)を忘れてしまっている二人をどうにか起動修正させるべきなのだろうけど。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:30:31.52 ID:MM0XByh4o

   ☆


「あはは、泉たちはずいぶんと楽しそうなことをしていたんだな」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:31:10.33 ID:MM0XByh4o

 唐突に恥ずかしいことを、恥ずかしげなく言えるのがこの人の悪いところだ。
 心臓がいくつあっても足りやしない。
 頬を薄い赤色に染めて、泉は窓に視線を逸らした。流れる街並みはいつも通りに過ぎているのに、窓に反射する自分の顔はわかりやすいくらいにやけていて、窓越しに見えた自分の表情を誤魔化すように、泉はぶんぶんとかぶりを振った。
 自分の顔がそんなことになっているなんて彼に気が付かれなかっただろうか、なんて思った。車を運転するという性質上、脇見をしているとは考えがたいので大丈夫だとは思うけど、気になってしまう。乙女心とはそういうものである。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:31:36.97 ID:MM0XByh4o

 街のスーパーに張り出してある広告の紙がふと目に入った。棒状のサクサクとしたチョコレートのお菓子、プッキーは有名であるが、特に一が四つ並ぶ今日は、有名お菓子の日だとも言われており、その宣伝であるようだった。
 ふと、そのお菓子に準えたゲームを思い出す。……とはいっても、普段の日常であれば高校生の悪ふざけ、或いは大学生の合コンぐらいでしか見掛けないようなものだけど、そんなものが今日に限って言えば仲の良いもの同士では軽いノリで行われてしまう。
 そう、とても軽いノリで。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:32:03.39 ID:MM0XByh4o

 そう、これは特に深い意味はない、軽いノリの話だ。仲の良いもの同士が、遊びとして行うこと。そういうことだ。
 ありすやさくらだって、甘えてくっついてきたのだ。そのくらいのスキンシップと、大差ないレベルのものでしかないし、だから何も問題はない。
 ……そう考えると、二人の今日の行動には感謝できるのかも。
 こんなことは些細なこと、そう思わせてくれるのだから──なんて、ずるい口実を思い付いて、少し自己嫌悪して。だけど自分に、ほんのちょっとだけ素直になってみて。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:32:32.36 ID:MM0XByh4o

 ─────────。
 泉の言葉を聞いて少し悩んでから、プロデューサーは曖昧な笑顔で、

「ああ、美味いよな、プッキー」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 01:33:00.07 ID:MM0XByh4o


    ☆


以下略 AAS



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