15:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 01:50:55.09 ID:y2wSW8Jko
「千鶴もカレー大盛りにする?」
「う、うん」
「今日は疲れただろう。なんたって優勝だからな! あっはっは!」
「そうでもない、けど……」
話そうと思っても何故だか言葉が出てこなかった。
カレーの味も両親の会話もあまり耳に入ってこない。
話そうと思えば思うほど緊張は大きくなっていった。誤魔化すように機械的に手を動かし、口を動かした。
「千鶴、どうかした? あんまり美味しくなかったかしら」
そう言われ顔をあげるとお父さんとお母さんは心配そうに私を見ていた。
「いやいや母さんのカレーは絶品だよ。千鶴、何か悩みでもあるのか?」
「……ううん、あのね」
言うならこのタイミングしかない。私はポケットから名刺を取り出して両親に見せた。
それから私は事の顛末を説明した。
アイドル事務所のプロデューサーにスカウトされたこと。アイドルになってみたいという私の気持ち。
お父さんとお母さんは何も言わずに聞いてくれた。
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