16:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 01:52:01.51 ID:y2wSW8Jko
「よし。だったら今日は優勝記念じゃなくて、千鶴がアイドルになった記念日だな!」
全てを話し終えたとき、お父さんは膝をパンと叩いてそう言った。
「へ……?」
「違いますよお父さん。まだ正式にアイドルになれたわけじゃないんですから」
「ん? ああ、そうか。それじゃあスカウトされた記念日だな!」
「ちょっ、アイドルになるのよ? そんな簡単に」
許してもらえるなんて。そう言おうと思った私は、二人の嬉しそうな笑顔を見て言葉を飲み込んだ。
それはこれまで何度も私に見せてくれたもので、その時は決まってこう言うのだ。
「千鶴の好きなように生きればいい」
お父さんの言葉にお母さんも頷いた。子どものころから私が将来について話すときはいつも最後にこの言葉で締めくくっていた。
家の仕事を継ぐのも、別の生き方を選ぶのも、私の自由だと。
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