20:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:32:04.31 ID:/zESL2O40
*
私は「日常」を始めた。
ルーチンと化している朝の行動はこんな精神状態でもほとんど変わらない。
21:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:32:35.66 ID:/zESL2O40
* * *
往来から駅、電車内に渡り、人という人をかき分けなんとか職場に到着した。
22:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:33:05.17 ID:/zESL2O40
*
「南さーん、そろそろお昼だけど」
ことり「へ? あ、はーい」
23:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:33:34.26 ID:/zESL2O40
*
不自然さも厭わず、休憩室に逃げ込む。
食欲なんてまったくない。そもそも昼食を持ってきてすらないけど、あの場に居続けられるわけがなかった。
24:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:34:04.03 ID:/zESL2O40
扉を眼前にして二の足を踏む。あの時の私は明らかに不審な退出の仕方だった。
休憩室から戻ってきた私を、皆はどんな目で見るだろうか。
事故の話題が上ったあの部屋で、私は居場所を作れるだろうか。
25:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:34:33.49 ID:/zESL2O40
* * *
ことり「つっかれた……」
26:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:35:02.75 ID:/zESL2O40
* * *
私は力なく倒れ込む少女の半身を腕で抱えた。
27:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:35:33.67 ID:/zESL2O40
*
あれから八日が経った。
その八日間で、私は心身ともに擦り切れきっていた。
28:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:36:06.43 ID:/zESL2O40
*
ピンポーン
ことり「へ、だ、誰……?」
29:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:36:34.84 ID:/zESL2O40
間を置いて再度鳴ったインターホンに思わず耳を塞ぐ。
呼吸と鼓動が早くなっていく。
ついにか、ついに、なんだ。
30:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:37:00.88 ID:/zESL2O40
*
会いたい、今すぐにでも抱きしめてほしい。私の頭を、心を、いっぱい撫でてほしい。
会いたくない、今の私を見てほしくない。二人に轢き逃げ犯だなんて知られたくない。最愛の親友を失いたくない。
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