ことり「あの子のことが忘れられない」
1- 20
24:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:34:04.03 ID:/zESL2O40
扉を眼前にして二の足を踏む。あの時の私は明らかに不審な退出の仕方だった。

休憩室から戻ってきた私を、皆はどんな目で見るだろうか。

事故の話題が上ったあの部屋で、私は居場所を作れるだろうか。

うじうじと立ち尽くしていると、私に向かって急に扉が開いた。

目の前から迫ってくる扉を避けられるわけもなく、額に激突する。

「南さーん……って、あっごめん!」

ことり「あ、いえ、私もぼーっとしてたんで……」

思っていた以上に時間は経過していたようで、心配した上司が様子を見に来た。

体調は大丈夫なの、と気遣ってくれたけど、今はその優しさが痛かった。

そしてその気遣いに問題ありませんと答えた以上、ここに留まっているわけにはいかない。

一心不乱に励めば、居場所がどうなんてまた気にならなくなるはず。

上司に連れられ、私は仕事場に戻った。



──そもそも轢き逃げ犯に居場所なんてあるわけがないことは、考えないことにした。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
48Res/33.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice