4:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:28:28.51 ID:q7fALb2LO
私は一番最初のころ、正統派アイドルという形で動きたかった。
何となく、イロモノアイドルだと声優になった時に響くんじゃないかと勘違いしていた。
多分、イロモノ系の方が声優としては合っていたかもしれないけれど。
ただ、地下アイドルとはいえ新人に自由に動くことは許されなくて、ウサミン星人なんて肩書きをつけられて、いつの間にかユニットになって、先輩アイドルとセットでステージに出ることになった。
初めて会った先輩アイドルは、私よりも少し背が高くて、年齢も上で、正直いうと少し怖かった。
5:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:29:11.81 ID:q7fALb2LO
小さなステージで歌って踊って、芽がでる様子もなく3年が過ぎた。
その間に、お客さんも店の人たちも少しずつ変わっていって、私の少し前に入った人たちもどんどん辞めていった。
私と先輩、あと一人か二人を残してみんな入れ替わってしまった。
成人してしばらく経ったころ、ある日ステージが終わった後に先輩に言われた
6:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:30:03.28 ID:q7fALb2LO
「成人おめでと、奢るから好きに飲みなよ。」
成人したことは伝えてあったし、その時に軽くお祝いの言葉はかけてもらった、あまり普段の通りとかわらなかったから、あの時こうして祝ってもらえることを少しだけ不思議に思った。
バイトでも居酒屋で働いていたけれど、お客さんとして入るのは初めてだったし、お酒も初めてだった。
7:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:30:45.91 ID:q7fALb2LO
「私?私はねー、うん、続けるよ、うん」
意外なほどに軽い返事で拍子抜けした私を尻目に、先輩は続けた。
「自分の話で悪いんだけど、私すっごい人見知りなんだ、地下アイドルになっても、今でも。」
8:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:31:32.09 ID:q7fALb2LO
けど、ユニットとして仲良くなっても現実が変わっていくことはない。
今まで通り、小さなステージで、馴染みのファンと、変わらない日々が続いてく
少し変わったと言うならば、先輩と飲んだり遊んだりすることが多くなった
愚痴を言ったり、たまにもらえる店外の仕事に喜んだり。
ある日は、cdを持って来て聴かせてくれて
9:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:32:14.27 ID:q7fALb2LO
気がついた頃には、さらに3年経っていた
店はメイド喫茶と形を変えて、時代に合わせて服装も変えて、かつての名残のステージでは、私たちが歌っている
私たちはあいも変わらずウサミン星人だった。
馴染みのお客さんも少しずつ増えて、このままの状態がずっと続くと思っていた。
10:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:33:00.89 ID:q7fALb2LO
家にいると、電話がかかってきた、先輩からの電話
「ナナ、ちょっと今大丈夫?」
11:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:33:41.78 ID:q7fALb2LO
「センパイ…」
「ごめんね、ウサミン星人、1人になっちゃうね」
「あの、私は、菜々は」
12:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:34:17.59 ID:q7fALb2LO
そして、今、ウサミンはテレビで、地上で歌っている。
先輩は、見ているだろうか。
あれから、先輩とは一度も話していない、連絡が取れない状態だった。
13:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 23:37:34.29 ID:q7fALb2LO
大変駆け足ですがこれで終わりです、ありがとうございました
km2schedule.hateblo.jp
ここに前に書いたの載せてるのでよければ……カテゴリ創作あるいはモバマス創作で分けてます
14:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 23:51:51.65 ID:hh6fMlGC0
乙
15Res/10.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20