274: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/04/30(月) 13:01:13.18 ID:DgOgOi+x0
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事務員小鳥とひと悶着。ビルから出た高木は近所の駐車場までやって来た。
左手には筒入りのポテトチップスを持っていて、出来たばかりの頭のこぶを右手で「いちち」と押さえている。
「まっ、スカートも覗けてポテチも貰えりゃコブ一つぐらい儲け儲け」
そうして、停めてあった社用車の鍵を開けると運転席へと乗り込んだ。
助手席に放り投げられるポテトチップス。
ジャケットのポケットから缶コーヒーを取り出すとドリンクホルダーに移し替え、彼は車を軽やかにスタートさせた。
道路に出れば、三分の一ほど開けられた窓から新鮮な空気が入り込む。
そうやって涼やかになった車内に流れるのは、アイドルが進行を務めているラジオ。
パーソナリティの少女は今、空気に溶けるような透明感ある声で番組宛のメールを読み終わると。
「四つ葉ウサギさんが言う通り、夏休みもそろそろ終わりですね。ラジオをお聴きの皆さんも、夏の思い出はできましたか?
私は、そうだなぁ……。この前のイベント直前にした合宿が、一番大きな思い出かな」
しみじみと、かつ丁寧に。少女はこの夏の思い出を振り返る。
トークは八月の初めに行われたライブイベントを中心に、準備の為に行った合宿、
そこで起こった数々のハプニングや面白エピソードを披露して締めくくられた。
「それじゃあ、八月も残り少なくなっちゃいましたけど、夏の青空にピッタリな曲を流しますね。
CMで使われた曲だから、『聞いたことあるよ』って人も多いんじゃないかな? ――『How do you do?』です。どうぞ!」
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