10:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:17:39.12 ID:KS3A+iW2O
「勝手に飛び出して、みんなに心配かけて本当に奈緒は最低だよ」
最低だ、という言葉とは裏腹に、その声には温もりがこもっていた。そして、怒りも。顔を上げると、やはりそこには彼女が居た。
「凛……」
11:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:18:14.63 ID:KS3A+iW2O
「Pさん、あたし……」
「分かってる。気づいてやれなくて済まなかった」
本当に済まなそうに言うプロデューサーに、今更ながら罪悪感を覚える。何もプロデューサーが悪いことをしたわけじゃない。奈緒が勝手に劣等感を抱いて、勝手に飛び出して来ただけだ。そう謝られると逆にこちらが申し訳無くなる。なんだかいたたまれなくなった奈緒は、ちょっとプロデューサーを見るのが恥ずかしくなってそっぽを向きながら言った。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:19:06.82 ID:KS3A+iW2O
……………………………………………
「────だから、あたしがふたりよりもずっと劣ってるって思って……」
事務所に戻り、凛も加蓮も帰った後、奈緒はプロデューサーに自身の心中を吐露していた。何だかこんなに自分ひとりで溜め込むのも馬鹿らしいと考えたのだ。
13:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:20:00.89 ID:KS3A+iW2O
「当たり前だろ、そんなの!」
つい声が大きくなる。そんなもの考えるまでもない。自分がステージに立って目の前の光の海に手を振るのを想像しただけで高揚するし、自分の声が入ったCDがショップにおいてあるのを見ると心から嬉しく思う──まぁ、少しは恥ずかしいが──これを楽しいと言わずしてなんと言うのだろう?
奈緒の答えを聞いたプロデューサーは満足そうに笑うと、
14:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:22:24.44 ID:KS3A+iW2O
「だったらさ、Pさん」
「ん?」
「もっとあたしのいい所、一緒に見つけてくれよ!ふたりに負けないくらい、すっごい魅力をさ!」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:23:04.30 ID:KS3A+iW2O
ピピピピッ!ピピピピッ!
「うわぁあ!?」
いきなり鳴り始めた電子音に頬の暑さも忘れ驚く奈緒。奈緒が赤面しているのを見て笑っていたプロデューサーは自分のデスクへと歩み寄り、その音の発生源を止めた。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:24:12.12 ID:KS3A+iW2O
「すっかり……忘れてたよ、ハハ」
乾いた笑いの奈緒とは対照的にプロデューサーは満面の笑みを向ける。
「これ、開けてもいいのか?」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:24:52.23 ID:KS3A+iW2O
────翌朝。
「神谷、そこでターンだ!よし、ちゃんと出来てるじゃないか!」
早朝のユニットレッスン。昨日と同じレッスンフロアで、今度は凛と加蓮と一緒にダンスレッスンを受けていた。
18:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:26:42.37 ID:KS3A+iW2O
奈緒誕生日おめでとう!時間ギリギリでしたね……
これからも奈緒が笑ってもっともっと活躍できますように!
HTML化依頼は明日出してきます
19:名無しNIPPER[sage]
2017/09/16(土) 23:52:16.09 ID:2ofK6k8no
乙です
20:名無しNIPPER
2017/09/16(土) 23:53:47.35 ID:b3HYYZ+mO
良かった
乙
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