1:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:50:02.57 ID:ZXrrsdaR0
夏樹と拓海の出会いを妄想した
前作
塩見周子「ぜんざい」
多田李衣菜「サバの味噌煮」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:52:34.13 ID:ZXrrsdaR0
夏の終わりが近づいて、吹く風が人々の頰をやさしく撫でる頃。
郊外の、うらさびれたアパートの一室。
木村夏樹はひどい風邪にかかっていて、重い身体をベッドに横たえていた。
3:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:54:32.15 ID:ZXrrsdaR0
咳をすると、やけに大きく音が響く。
咳をしても一人、か。
夏樹は故郷が恋しくなった。
4:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:55:28.55 ID:ZXrrsdaR0
今の自分に後悔はない。
けれども、こうも寂しいと、
昔の思い出だけが輝いて、やるせなくなる。
5:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 22:58:52.98 ID:ZXrrsdaR0
携帯には、申し訳程度の心配が添付されたメールが何件か届いてはいるが、
誰も見舞いに来てくれない。
プロデューサーや他のアイドルは、今の夏樹のように、
6:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:00:30.36 ID:ZXrrsdaR0
その後夏樹が、半ば失神するような眠りに落ちていた頃、
玄関のチャイムが響いた。
通販でなにか頼んだっけ……。
7:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:01:20.24 ID:ZXrrsdaR0
「なんで…」
「住所なら、アンタのプロデューサーに教えてもらった」
そうじゃなくて、と言いかけた夏樹の身体が、床にくずれおちた。
8:名無しNIPPER[sage]
2017/09/01(金) 23:02:25.55 ID:ZXrrsdaR0
拓海は台所と冷蔵庫の中身を見回して、言った。
「ろくなもの食ってないみたいだな…」
拓海はシンクの前で、てきぱきと料理の準備を始めた。
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