174:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 22:05:24.20 ID:QOYRkH000
私も電池が切れたみたいに体が動かなくて、立ち尽くす。
ドッペルゲンガーはやっぱり私だった。体は私だけど、意志は私じゃないもの。
そして、私に憑りついたあの白く写ったモヤのようなものの正体。
普段は写らないよう気を付けてくれているのに、憑りつこうとした為に写ってしまっていたのは――
175:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 22:09:52.66 ID:QOYRkH000
声が聞こえる。頭の中に直接語り掛けられたような、内側から響く声。聞き覚えのある声。
聞き間違えるわけない。いつも一緒にいて、お話ししてる……あの子の声。
でも、どうして……。
176:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 22:12:05.50 ID:QOYRkH000
『……怒らないの?』
知らない間に体を使われてるのはびっくりしたけど……。
でも、いつも近くにいて私のこと見てたから、羨ましくなっちゃったのかなって……多分、逆だったら私もそう思うかもしれないし。
177:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 22:17:29.99 ID:QOYRkH000
「いただきます……ん、美味しい……」
「小梅さん、今朝はちゃんと食べてますね。昨晩から様子がおかしかったんで心配しましたよ!」
「なぁ小梅ちゃん、今日もドッペルゲンガー探しする?」
178:名無しNIPPER[saga]
2017/09/14(木) 22:19:27.16 ID:QOYRkH000
終わりです。
おつかれ様でした。
179: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:33:43.57 ID:HUNlZsa0o
お借りします。
180: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:34:10.84 ID:HUNlZsa0o
由愛「食欲の秋、行楽の秋、スポーツの秋……いろんなことが楽しくできる季節になりました」
由愛「でも……私にとってはやっぱり芸術の秋です」
181: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:35:34.23 ID:HUNlZsa0o
ある日、閑散とした事務所のテーブルにスケッチブックと絵の具のセットが置いてありました。
新品のスケッチブックは、私が持っているものより、ずっと大きい紙が重なった分厚いものでした。
これなら、どんな絵を描いてもすっぽりと収まるような気がしました。
182: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:36:16.08 ID:HUNlZsa0o
……少しくらいなら、使ってもいいよね?
私の中から、ちくりと悪い声が聞こえてきました。
183: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:37:00.23 ID:HUNlZsa0o
私が知っている色、いいえそれ以上に、まるで世界中のなにもかもが描けるくらいの種類が詰まった絵の具のセットを前にしてわくわくしないわけがありませんでした。
何を描こうかな……私はまたきょろきょろとあたりを見わたします。
事務所の壁は真っ白で、たまに白黒のプリントやカレンダーがあるだけ。
184: ◆nIlbTpWdJI[sage]
2017/09/18(月) 20:38:37.76 ID:HUNlZsa0o
どうしようかな、と迷っていると窓のすぐそばにある緑色が目に入ってきました。
白い壁を背に、おひさまの暖かい光りを精一杯浴びようと葉っぱを一生懸命伸ばした名前の知らない観葉植物です。
細長くて、ひらべったい葉っぱは生き生きと緑色を放っています。
葉っぱを支える茎や幹は、大きい葉っぱの影に隠れながらも、弱弱しさや寂しさを感じない力強さを感じます。
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