【艦これ】羽黒「司令官さん、私、信じていますね」
1- 20
21: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 22:40:44.21 ID:W3bdf8BU0
 内閣府の直属機関として、「海上激甚災害対策総合研究所」が設立されたのは、主要研究機関の生存者に対する取り調べが大方終わり、事実が整理され始めてからのことだ。

 事実というのはつまり、「数人の人間は、敵やその一部を、完全に無害化できる」ということに他ならない。
 その研究機関は、「そういう人間の共通点等を見つけ、集めること」「無害化の方法を確立し、事態の収拾を目指すこと」を目的としていた。

以下略 AAS



22: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 22:43:58.30 ID:W3bdf8BU0
 僕はよく彼女と話した。

 あまりに刺激や娯楽の無い生活の中で、彼女の存在は僕にとって癒しだった。恐らくは、彼女にとっても僕はそういう存在だったのではないか、と思う。
 彼女は好んで図書室で本を読んでいた。

以下略 AAS



23: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 22:46:33.37 ID:W3bdf8BU0
 生活に不穏さが入り込んだのは、不快な噂が飛び交うようになってからだった。

「国は、例の少女たちを戦力として投入しようとしている」
 それが僕たちに入ってきた最初期の情報になる。

以下略 AAS



24: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 23:02:54.15 ID:W3bdf8BU0
 外部との接続を極限まで拒絶されたその生活の中で、僕は不安と共にあった。
 自分の何を、どういう風に研究されているのかわからないことへの怖さ。外部で何が起こっているのか、全く分からないことへの恐さ。

 僕は漣を思い出して、彼女の華奢さを思って、時々本当に怖くなった。
 どうして彼女すら戦力化しなければならないんだ?
以下略 AAS



25: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 23:08:02.71 ID:W3bdf8BU0
 どうやら、研究所は僕たちと少女たちを懇親させる方向に転換したらしかった。

 「今のところ、何も成果が出ていないらしいから、ここ」と彼女は僕に言った。「方針を変えたんでしょう」

 彼女は美人だったし、だから研究員たちから情報を得やすかったのだろう。
以下略 AAS



26: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 23:09:11.40 ID:W3bdf8BU0
 もちろん、僕は漣にも頻繁に会いに行った。

 漣はかわいらしい人だった。若干サブカルチャーにかぶれていたところがあったが、根は真面目だというのも、それと同じくらいよくわかった。

 漣は、僕をいつも「ご主人さま」と呼んだ。
以下略 AAS



27: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 23:10:45.46 ID:W3bdf8BU0
 図書室で会った時に聞くと、彼女も少女たち――その時にはすでに”艦娘”という呼び方が定着していた――に、「司令官」やら「提督」やらと呼ばれているらしかった。

「なんていうか、すごくかわいいと思わない?」
 彼女は僕に笑いながら言った。
「あんな澄んだ目で、敬うような口調で、”司令官さん”なんて。そりゃ、言葉のチョイスは少し不思議だけど。そうだな。なんか子供ができたみたいで」
以下略 AAS



28: ◆m9ZGL07ULFKn[saga]
2017/08/22(火) 23:12:41.16 ID:W3bdf8BU0
 研究所での暮らしは、もう半年を超えようとしていた。

 僕ら人間の”被験者”は、この日初めて所長に会うことになる。



29: ◆m9ZGL07ULFKn[sage saga]
2017/08/22(火) 23:17:00.49 ID:W3bdf8BU0
今日の投下はこれで終わりです。読んでくださってる方はありがとうございます。
もしかすると明日は忙しくて投下できないかもしれません...


30:名無しNIPPER[sage]
2017/08/22(火) 23:52:22.69 ID:kM9Yhuxao
乙でした


31:名無しNIPPER[sage]
2017/08/23(水) 01:34:20.55 ID:eojbqj5A0
おつおつ


31Res/17.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice