「藤原肇がそれを割る日」
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90:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:39:11.93 ID:dZyp/T120
 最寄り駅に着く頃には、辺りは真っ暗でした。

 予め待ち合わせをお願いしていたお父さんの車に急いで乗り込み、家に向かいます。

 夕美さんを乗せて家に行くのは、何度もありましたが、こんな遅い時間に行くのは初めてです。

 いつもと違う、街灯が無い真っ暗な山道を登る間、夕美さんは少し緊張しているようでした。

 そして、私も――。


 いよいよ、その時が近づいてきます。

 あぁ、家が見えた時――ようやく、私は気がつきました。


 その先に待っているのは明るい結末であると、信じて疑わなかった。

 その時が近づくにつれ、黒い不安が膨れあがり、抑えきれなくなっていることを。



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