「藤原肇がそれを割る日」
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19:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 19:53:58.84 ID:pXJ6Ifkk0
 名前も知らない、オレンジ色の花を手にします。

 それを中央に。

 次は――薄い青の、差が高くて細長い花。これは――横に。


 赤――とても強い色です。

 それに大きいから、あまり前に持ってくると、他の花が隠れてしまいます。

 なので、奥の方にドンと――。


 ――なるほど。どちらの角度から見せたいかを意識しなくてはならないのですね。

 見る角度に特段の定まりが無い陶器と違い、生け花とは、ある種の絵画的、劇場的な美の追究であるのかも知れません。

 では、主題となるモチーフは――この舞台の主役は誰か。

 見る人にも伝わるような物語性があると、よりこの作品には深みが生まれるような気がします。


 正解は無い――でも、私の答えはきっとある。

 見出さなくては。誰をどう配置すれば、私は納得のいく物語を表現できるのか。



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