周子「切なさ想いシューコちゃん」
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2:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:53:06.48 ID:06oxNczP0
「んみゅ……」

瞼の裏を照らす綺麗な光と、パチパチと無機質なキーボードの弾ける音で目が覚めた。

「起きたか」
以下略 AAS



3:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:53:44.17 ID:06oxNczP0

あの時は私はたしか15歳で、Pさんはプロデューサーじゃなくて、マネージャーだった。
高校に行く、行かないでおとんと大喧嘩して、実家を飛び出したきり行き倒れ同然になってたあたしを拾ってくれたあのときも、Pさんは一枚だけのせんべい布団にあたしを寝かせて、自分は背中向いてパチパチパソコン打ってたっけな。
四畳間に一枚しか敷けない布団を譲って、高熱出してひっくり返ってた見ず知らずのあたしのこと、一晩中見ててくれたんでしょ。
少女マンガみたいに優しくて甘々なくせに、君は絶対、俺は優しいって、あたしに伝えてくれないんだ。
以下略 AAS



4:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:54:21.38 ID:06oxNczP0

「大学どうだ?」
「どう? んー、むー? ふつう、かなー?」
「彼氏出来たか?」
「あれ、作って良いの?」
以下略 AAS



5:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:54:52.13 ID:06oxNczP0
そやなぁって、どっちよ。
今のはちょっとわざとらしかった。
移るもんなのかな、そういうの。
Pさんがあたしに染まって、あたしもPさんに染まっていくってのは、なんていうか、うん、悪くない、気がする。
……シューコちゃんって、こんな重い女だったかな。
以下略 AAS



6:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:55:19.19 ID:06oxNczP0

「げほっ……おまっ、マジで……えぇ!?」
「いやー期待通りのリアクションありがとうございます。」
「だってお前……あのカリスマJK改めカリスマJDの城ヶ崎美嘉が……?」
「はい」
以下略 AAS



7:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:55:53.17 ID:06oxNczP0

奏はプロデューサーさんの事になると美嘉ちゃん顔負けの乙女になっちゃうらしく、どーやって今より一歩距離を縮めたら良いか悩んでるみたい。フレちゃんはまぁ……甘々デリカな毎日みたいね。
アイドルの魅力があたしたちの内側から生まれるものだとするなら、そーゆーファクターは間違いなく、彼女たちのキラキラのエンジンとして機能してるんだと思う。本気で惚れ抜いてる人の為に出す力って、やっぱすごいもんね。それは、ファンへ恩返しするときもおんなしだけど。
自分のオトコの話してるとき、みんな幸せそうやもんねー。アイドルがそーゆーことって、賛否あるだろうけど、あのカオを見たらあたしはアリだと思う。ダメや言われても、好きなもんは好きやろしな。
一癖も二癖もあるあのコたちをあんなにメロメロにしちゃうパートナーさんは、やっぱり素敵な男性なんだろうね。
以下略 AAS



8:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:56:24.83 ID:06oxNczP0

「……いや、すまんて」
「ん? 謝ることないやん、あたしが勝手に勘違いしとっただけやしー、ただあんなにハッキリ『迎えに行く』って殺し文句言われちゃってたからさー、真っ先にあたしのところに来てくれたんだって思い込んでたもんでさー。」
「いやあ……な? しゅーこ」
「まあ舞い上がってた純情シューコちゃんに芸能界の現実を突き付けるっていう意味では? ちょっと苦めの良い薬だったかなーって思うし? 仕事は仕事だって今はちゃんと理解できるから。だから全然、これっぽっちもー? やきもちとか妬いてませんけどねーうん。」
以下略 AAS



9:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:56:58.70 ID:06oxNczP0


「ダーツバー好きだな、お前。」
「えーやん、ダーツ出来るしここなら個室みたいなもんだし。」
「俺はたまには寿司が食いたい。」
以下略 AAS



10:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:57:33.15 ID:06oxNczP0

「おっ、ナイストン。Pさん、上手くなったよねー」
「周子の遊び相手くらいにはなるか?」

ブルを二本決めてきたPさんを迎えると、Pさんは返事代わりのように一口目で既に半分以上減っていた琥珀色の液体を、くいっと一気に飲み干した。
以下略 AAS



11:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:58:03.67 ID:06oxNczP0

「んくっ……んくっ……ぷはっ。ふー……。」
「限界か? なら、残り貰うぞ。」
「あん、ちょっとー、飲むのに。」
「……っふう、すぐ同じの、頼んでやるよ。」
以下略 AAS



12:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:58:39.13 ID:06oxNczP0

Pさんの頬っぺたに、戸惑いが差した。

「次、あたしでしょ。投げてくるね。」

以下略 AAS



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