8:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:56:24.83 ID:06oxNczP0
「……いや、すまんて」
「ん? 謝ることないやん、あたしが勝手に勘違いしとっただけやしー、ただあんなにハッキリ『迎えに行く』って殺し文句言われちゃってたからさー、真っ先にあたしのところに来てくれたんだって思い込んでたもんでさー。」
「いやあ……な? しゅーこ」
「まあ舞い上がってた純情シューコちゃんに芸能界の現実を突き付けるっていう意味では? ちょっと苦めの良い薬だったかなーって思うし? 仕事は仕事だって今はちゃんと理解できるから。だから全然、これっぽっちもー? やきもちとか妬いてませんけどねーうん。」
「……勘弁してくれ、周子」
怒ってなんていないよ、ってのはホント。あの時のPさんはガムシャラに経験と実績を求めなきゃいけなくて、それがいまのあたしのプロデュースに繋がっているんだから、感謝こそすれ、そんな事で拗ねたりしないって。
ただ、Pさんのそーゆーカワイイ顔が見たくなっただけ。
あたしが君に伝えたいのは、そんな事じゃないんだ。
「ほーん、反省してんの?」
「う………まあ」
「ふーん?」
「ぐっ……望みを言えい!」
「ふっふっ、くるしゅうなーい。」
あたしたちは話題も笑いも豊富すぎて、却っていつも肝心なところに触れられない。
昨日みたいに寄り添って眠るほど近くにいても、心のいちばんやらかいところに交わらないようにして、ここまで来た。
けどなー、シューコちゃん、煮え切らないのは案外、性に合わんのよ。
だからさ。
「今夜、一杯奢ってよ、Pさん♪」
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