4:znAUHOH90[sage]
2017/08/10(木) 19:54:21.38 ID:06oxNczP0
「大学どうだ?」
「どう? んー、むー? ふつう、かなー?」
「彼氏出来たか?」
「あれ、作って良いの?」
「ダメ。」
「あかんのかーい。」
高校も行かずこの業界に飛び込んだPさんにとっては、スクールとかキャンパスってのはちょっと憧れらしい。よく、「大学楽しいか?」みたいなことを聞いてくる。芸能関係者さんて、T大KY大ですみたいなヒトも珍しくないもんね。あたしはそういうの、よくわかんないけど。
大学……たぶん普通に通えばそれなりに楽しさもあるんだろうけど。正直、仕事の事を考えてる方がワクワクする。あのシューコちゃんがよくもまあこんなにアクティブになったって、自分でもよう思うけどね。たぶん、Pさんがくれた世界以上の衝撃は、そこには無いなぁって予感がしてる。
大体、お陰さんで大学でもすっかりレアキャラ扱いだしなー。ちゃんと単位取りきって卒業したフレちゃんは偉いと思うよ。
……仕事がワクワク、なんて、実家の手伝い嫌々やってたあたしが聞いたら、どんなカオするだろーね。それくらい、あの時迎えに来てくれた魔法使いさんから始まった毎日は鮮やかで、色んな意味でかけがえがないんだ。
あ、そうそう、いまシューコちゃんは奏と同じ大学に通ってます。わたしはなんだかんだもたもたやって一年遅れたから、ストレートで入った奏と同学年なんだけどね。一芸推薦ってやつ、あれ便利だね。
大学でも結局奏と居ちゃうから、大学生活が特別なもの、って認識もあまりないんだと思う。あの子と居ると目立ってしょーがないんだけど。
「最近、ますますオーラほとばしってるからさーあの子。キャンパス歩いてるとモーセの十戒みたいになるのね。みんな遠巻きに見守るみたいな。」
「案外、速水さんの方はお前の方が原因だと思ってんじゃないのか。」
「……前から思ってたんだけどさぁ、Pさんって奏にだけさん付け敬語だよね。」
「なんだろうな、それこそ……オーラ?」
「ちょいーPはん〜ほしたら呼び捨てタメ口のシューコちゃんはちんちくりんってことなん?」
「食う・寝る・食うの狐娘は何時まで経ってもちんちくりんや。」
「あたしの餌付け楽しいくせに〜」
「餌付けされとる自覚あるんかい。」
「……Pさんてあたしと一緒にいるようになってからちょっとずつ、京言葉っぽくなってきたよね。」
「そういう周子はずいぶん標準語っぽいぞ。ガキの頃の周子はもっとはんなりしてた。」
「え、そう?」
「そうおす。」
「じゃーあたしが京都要素薄いのって、Pさんのせいかな。」
「そやなぁ……」
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