198:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:24:51.84 ID:yoGsi3kr0
夕食が終わり風呂に入ったあと、私は久しぶりに明石中佐に夕食を届けにいくことにした。
ただ届けるだけじゃなく、中佐とお喋りしたいので、釣り道具を片手に桟橋で晩酌にしようと思ったのだ。
工廠前のインターホンを押すと、煙草をくわえた明石中佐が少ししてから出てきた。
「ああ、少佐ですか。こんばんは。それは……」
「夕飯持ってきたよ。なんか今日も結局あまりのこらなかったけど、酒はある。よかったら一緒に桟橋で飲まないか?」
「ええ、いいですよ。ちょうど少佐に話したい事がありますし。少し待っててくださいな。私も酒をもってきます」
中佐は吸っていた煙草を加熱式煙草から外すと、携帯吸い殻入れにいれた。そして、工廠に戻ると、瓶焼酎を左手に持って出てきた。一緒にロシアンブルーのアカトゥルフもついてくる。
「これ、新しくでた朱霧島ですよ。これまでの赤霧島よりガツンとくるんですねぇ」
名焼酎の霧島か。中佐はたしかに酒には強そうだ。
私らは桟橋に腰を下ろすと、私は袋に入ったワインとピザとローストビーフを中佐の横に出しておいた。
「あ……」
そうだ、こんなとこに置いたらアカトゥルフが食べてしまうのではないか。が、遅かった。アカトゥルフはピザとローストビーフの匂いを嗅ぎ始めた。ああ、やってしまった。
「大丈夫ですよ。アカトゥルフは食べません」
隣の中佐は落ち着いた様子で言った。そして彼女の言う通り、アカトゥルフは食べ物には口をつけず、そこを離れた。
その後、私の横へとやってきて「にゃあ」と鳴いた。早く釣りを始めろと言うことなのだろう。
「普通の猫なら食べてしまいそうなのに、アカトゥルフは利口だなぁ」
私はアカトゥルフを撫でながらそう言った。
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