197:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:23:48.09 ID:yoGsi3kr0
「いいじゃん、女の子同士なんだしさ。
――それに私は五月雨ちゃんのコトをもっと知りたい。そして私はどんな五月雨ちゃんでも受け入れられるから……。だって家族だもん。私には隠さなくていいんだよ?」
妹はグラスをテーブルに置くと、急に真面目な顔をして五月雨に視線を据えてそう言った。五月雨はその言葉にとても戸惑った表情をみせた。
「北上さん……それってどういうことなの、かな?」
「そのままの意味だよー。私たちはここで一緒に暮らす家族でしょ? 私は五月雨ちゃんには隠しごとはしないし、五月雨ちゃんも私には隠しごとはなしだよ? それに、いつでも私は五月雨ちゃんの味方だよ」
妹の言葉に五月雨は視線をそらさずに黙っていたが、やがて小さく頷いた。
「うん、そうだよね。私だっていつでも北上さんの味方だし、大切な家族……。だから少し考えてみるね」
隠し事は私にもしてほしくはないが、これがおそらく女同士の付き合いというものなのだろう。そこに、私が入る隙はなかった。ああ、羨ましい。
それから、妹は私と喋りながら食事をしたが、五月雨は考えこみながら食べていた。そんなに迷うことなのなのだろうか。迷う五月雨をいじってみたいとも思ったが、そういう雰囲気でもないので、それはやめておいた。
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