199:名無しNIPPER
2017/09/21(木) 13:25:55.68 ID:yoGsi3kr0
「まぁ、猫が食べていけないものは拒否するようになっているだけですがね」
「それは、どういうこと……?」
「あれ、少佐にはまだ言ってませんでしたっけ? アカトゥルフの右目のこと」
明石中佐はローストビーフをつまみながら私に尋ねる。
「アカトゥルフの右目?」
私はアカトゥルフを見る。左が青色、右が黄色のオッド・アイがこっちを見つめ返す。
「彼女、もともとはオッド・アイじゃないんですよ。アカトゥルフはもともと両目とも青色だった。でも今の右目には眼球型AIコンピュータが埋め込まれています」
「……!!」
なっ、そうなのか!? 私はアカトゥルフに顔を近づける。アカトゥルフは驚いたような表情をするが、私に視線を据えたままだった。
たしかに……。
よく見てみると、アカトゥルフの右目の瞳孔はカメラのレンズのように回転しながら大きくなったり小さくなったりしていた。
これはとても精巧にできている。ちゃんと観察しないと分からない程のものであった。
と、アカトゥルフは右手を私の額にのせて、顔を離すように押した。
ああ、すまんすまん、猫だってそんなに見つめられると恥ずかしいよな。
「でも、なぜ……?」
私はコップにワインをトクトク注ぎながら中佐に訊く。
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