【ミリマス】志保「愛する貴方へ、一生のお願い」
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41: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:38:15.20 ID:xUYh3ry/O
『…じゃあな、志保』
42: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:39:43.59 ID:xUYh3ry/O
「おとう……さん…」
43: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:42:49.64 ID:xUYh3ry/O
彼の胸をぐいっと押して距離を取る。少し名残り惜しかったけど、今はもっと大事な事がある。
…少なくとも、私にとっては。
44: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:45:11.89 ID:xUYh3ry/O
「ぁ………貴方は…貴方だけは、私を置いてどこかへ行ったりしないで下さい…!それと、これから生まれてくるかも知れない私達の子に…ずっと…ずうっっっと…溢れる程の…あ、愛情を…注いであげて…下さい…」
「どうか…どう…か…一生のお願いです…うっ……うっ…」
45: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:46:59.72 ID:xUYh3ry/O
それからどれくらい経っただろうか、彼がそっと私の顔を上げさせた。けど何も見えない。何も分からない。
布の様な何かが私の目の辺りに触れた。優しく涙が拭き取られ、徐々に視界がクリアになる。
46: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:46:50.38 ID:VMeOwtrv0
「……あんな事があった志保だ。俺が口で何を言っても心の底から信じては貰えないと思う。…それに、俺には志保の気持ちは分かってやれない」
言葉に、彼の強い悲痛な想いを感じた。その響きが私の心を八つ裂きにする。
47: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:49:00.87 ID:VMeOwtrv0
それからしばらくして。
彼は、私が泣き止むまで頭を胸に抱いてくれ、黙って背中をさすってくれた。
48: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:57:18.28 ID:VMeOwtrv0
「…お風呂で私が言った事ですけど…好奇心半分、本気半分っていう。その本気の方の話です」
「あぁうん。教えてくれるのか?」
49: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:58:24.01 ID:VMeOwtrv0
「…言い忘れたけど、俺からもお願いがある」
「っ!…はい。何でしょう」
50: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:03:16.06 ID:VMeOwtrv0
「…なぁ志保」
彼が突然余裕なさげな表情で私の手首を掴み、寝室の方へ引いてくる。その顔が少し怖かったのと、この雰囲気に当てられた事もあり、ついそのまま流されそうになる。
51: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:04:24.39 ID:VMeOwtrv0
寝室。
優しく肩を押されて、ゆっくりとベッドに倒れ込む。
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