【ミリマス】志保「愛する貴方へ、一生のお願い」
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45: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:46:59.72 ID:xUYh3ry/O
それからどれくらい経っただろうか、彼がそっと私の顔を上げさせた。けど何も見えない。何も分からない。
布の様な何かが私の目の辺りに触れた。優しく涙が拭き取られ、徐々に視界がクリアになる。
彼は、微笑んでいた。
「お義父さん、優しかったんだよな」
「…はい」
「大好きだったんだよな」
「……………はい」
貴方が私から居なくなるなんてありえない。そう頭では理解しているけど、いつか貴方もお父さんの様に居なくなってしまうのではないかと心のどこかで思ってしまっている。
恐怖が理性にこびりついて離れない。
…それに浅ましい考えだけど、お願いとして口に出す事で彼に私の想いを知って欲しい、どうにかして欲しいという気持ちも少なからずあった。
そんな弱い自分がたまらなく嫌だった。こんな事Pさんに言ったって困らせてしまうだけなのに。
貴方に変えて貰ったと思っていたのに。
「…そうだな。怖いよな」
優しく頭を撫でられる。
それで、もうだめだった。
「うぅ…っ…!Pさんの事はこの世の誰よりも信じています…本当です…!…ひっぐ……だけど、優しかったお父さんは…ぐすっ………い…居なくなっちゃったから…!」
「っ…」
「もうあんな思いしたくない…!こんなに幸せなのに…怖いよ…!ごめんなさいPさん…こんな……わた…ごめんなさい…うわあぁぁぁん……!!」
あの時以上に幸せだから。
失う辛さを知ってしまった今だから。
怖くて怖くて仕方がなかった。万が一の時、私はその振れ幅に耐えられそうになかった。
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