1: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:33:19.51 ID:oOCecuP20
夏休みのある日、照りつける日差しは暑さを超えて少し痛いくらいです。
私はシアターの前で、扉の中の風景を思います。きっとみんなそれぞれレッスンをしたり、お仕事のスケジュールを確認したりしていると思います。まさか、野球はしてないですよね。
私は今からその賑やかで楽しい世界に戻ります。普通なら、きっと笑顔で元気に『ただいま』って言うんだと思います。
でも、私にはそれはできそうにありません。
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2: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:34:08.95 ID:oOCecuP20
私のせいで、たくさん迷惑をかけました。
私のせいで、たくさん心配をかけました。
3: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:34:56.76 ID:oOCecuP20
でもやっぱり答えはわからなくて、なんだか泣きたくなってきた時、後ろから両脇をガッと抱えられました。
琴葉「きゃっ!?なんですか!?」
4: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:35:59.63 ID:oOCecuP20
なんて、少々過激な親友のお出迎えにあたふたしていると、その親友は悪い声で誰かに告げました。
エレナ「ふっふっふっ、コトハはガッチリ捕まえたヨ!!みんな!いまだヨ!!!」
5: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:37:48.82 ID:oOCecuP20
恵美「んじゃまぁ、立ち話もなんだしさ、みんな準備はいい?」
恵美はそう言って残りの3人に目配せをしました。すると3人はそれぞれ私の足と腕をガッチリと掴みました。
6: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:38:57.32 ID:oOCecuP20
わっせわっせという合言葉とともに、私の身体はどんどんシアター内に向かっていきます。
久しぶりの出勤がこんな形になってしまって、すっごく恥ずかしいです...。
7: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:41:49.30 ID:oOCecuP20
そんなこんなでジタバタ抵抗したんですけど、すんなりシアター内に連れていかれちゃいました。
みんなに担がれながら見上げた天井は、あまり馴染みがありません。そっか、リニューアルオープンのために改装したんでしたよね。
8: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:42:52.36 ID:oOCecuP20
広くなった劇場の玄関を眺めていると、ちょんちょんと腰のあたりを突かれました。
振り向くと莉緒さんと、えっとあっ、このみさんがいました。
9: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:44:08.91 ID:oOCecuP20
琴葉「2人とも、ごめんなさい!」
きっと私が遅れたことで、大人の2人にはたくさんのしわ寄せが行ったと思います。だから、『ただいま』より先に謝罪をしなければと思いました。
10: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:45:48.28 ID:oOCecuP20
恵美「琴葉、そういや美咲さんとこに行かなくていいの?」
あっ、さっきまでのドタバタで復帰の事務手続きをしないといけないことを忘れてしまってました。
11: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:47:32.95 ID:oOCecuP20
美咲「琴葉ちゃんはじめまして、青葉美咲ですっ!」
琴葉「はじめまして、田中琴葉です。あの、よろしくお願いします」
12: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:48:54.36 ID:oOCecuP20
美咲「ちょっと書類を探してるので、その間ソファーで待っててくださいね」
そう言われて、お隣のスペースにあるソファーに行くと先客が2人ほど座っていました。
13: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:49:50.39 ID:oOCecuP20
続いてもう1人の方も立ち上がって挨拶をしてくれました。こちらの人も立ち振る舞いに気品が感じられて、すごいなって思っちゃいます。
紬「白石紬です。私もプロデューサーから話は聞いています。これからよろしくお願い致します」
14: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:52:04.12 ID:oOCecuP20
私もお2人に挨拶を返します。うぅ、なんだか2人の後だと緊張しちゃいます。
琴葉「田中琴葉です。私もお2人の話は聞いていました。プロデューサーが凄いアイドルが入ったってはしゃいでいたので、早くお会いしたいなってずっと思ってました。私も頑張りますので、よろしくお願いします!」
15: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:53:10.35 ID:oOCecuP20
昴「うぁーマジかよ...ホームランかよ...」
まつり「ほ?姫は重くて箒持てないのでフラフラしてただけなのですよ」
16: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:54:16.64 ID:oOCecuP20
奈緒「琴葉おかえりなさい、なんや復帰早々大変やなぁ...」
琴葉「奈緒ちゃん、自分が加害者だからね...」
17: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:55:12.85 ID:oOCecuP20
すっかり怒ればいいのか喜べばいいのかわからなくなってきたところ、昴が笑顔で私に言いました。
昴「いやーでもあれだな、なんか嬉しいな」
18: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:56:32.35 ID:oOCecuP20
それから事務手続きを終えて、少し休憩をすることにしました。
瑞希「それでは瑞希のテーブルマジック100連発行きます...よいしょ」
19: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:57:07.47 ID:oOCecuP20
そうしてゆったりしていると、スマホに一通のメッセージが届きました。
未来からのメッセージみたいです。内容は『レッスンルームに来て』というものでした。
20: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 17:59:21.07 ID:oOCecuP20
うーん、私がレッスンルームに行く理由、思い当たらないといえば嘘ではありません。
とにかく私は少し遅れてしまった分を取り戻さないといけません。きっと時間がかかると思うので、早速今日から始めた方がいいってことでしょうか。
21: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2017/08/06(日) 18:00:09.65 ID:oOCecuP20
未来「琴葉ちゃん!!みんなずっと待ってたんだよ!!おかえりなさい!!」
翼「おかえりなさい!みんなで準備したんですよ。楽しんじゃってください」
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