8: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:31:16.53 ID:jWGgUzWko
気が付けば、自宅の寝室で微睡んでいた。
横にならず、ベッドの側面に背中を預けていたのを不思議に思い、振り返って寝床の主を確認する。
予想はしていたが、そこではよく見知った女性がすやすやと寝息を立てていた。
9: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:32:44.12 ID:jWGgUzWko
「というか、まだ返事をしてないのか俺は……」
10: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:34:17.07 ID:jWGgUzWko
自己紹介が苦手だと、そう言っていた。
初めて飲みに行ったとき、思っていたよりお茶目であることを知った。
旅館の部屋でひとり酒をしていたら、日本酒片手に突撃してきた。
11: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:35:16.07 ID:jWGgUzWko
12: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:36:15.85 ID:jWGgUzWko
突然ぐいと引っ張られて、たまらずベッドに倒れ込んだ。
横並びになり、目と目が逢う。あの宝石のような瞳がこちらを見据えている。
13: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:37:35.77 ID:jWGgUzWko
「これで晴れて両想いですね」
「そ、そうなりますね」
14: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:38:23.19 ID:jWGgUzWko
「そもそも、どうしてそこまで同棲にこだわるんですか」
「楽しそうじゃないですか、同棲」
15: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:39:13.84 ID:jWGgUzWko
「肌が触れあうくらいの距離で眠りについて、朝になったらどちらともなく目覚める生活は」
16: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:39:56.44 ID:jWGgUzWko
息が詰まる。心臓の鼓動がうるさくて仕方がない。
今、彼女は何と言っていただろう。内容を反芻しても答えは変わらない。
だって、今のはまるで。
17: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:41:09.01 ID:jWGgUzWko
「ふふっ、わかりました。まずは目指せトップアイドル、ですからね」
「そうですよ。シンデレラガールにも選ばれたんですから、もうすぐです」
18: ◆ULqTtBUL.k[saga]
2017/07/23(日) 02:41:48.21 ID:jWGgUzWko
だから、と優しく微笑みながら、彼女は言う。
「今はまだ、このまま。アイドルとプロデューサーのままで」
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