睦月「吹雪ちゃんは夕立ちゃんの事が好きなんだね」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:03:03.69 ID:2xBkgRZF0
川内さんは真っ直ぐこちらを見てうなずく。私は込み上げてくる感情を止めることができなかった。
睦月「わ、わだしがっ!よ、よわいから…ヒグッ…な、何も守れない!私が…睦月が望むものを手に入れることができないっ!」
睦月「だ、だから…だから強くなりたい!…グスッ…そ、そう思って、必死に訓練をした!誰にも負けないくらい、そして、自分にまけないように!」
21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:04:38.36 ID:2xBkgRZF0
睦月「川内さんみたいに強い人が羨ましいっ…自分自身も大事な仲間も自分の力で守ることができる。大事なものを失うことがないように繋ぎとめることができる。」
睦月「睦月は、ヒグッ、グスッ…睦月は自分自身さえも守れないのにっ!守られているだけなのにっ…」
涙が溢れ出してくる。力を込めて掴んでいた川内さんの肩から川内さんにもたれかかるように崩れ落ちる。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:05:23.92 ID:2xBkgRZF0
何を言っている?あり得ない。
睦月「そんなことないですっ!」
ムキになって私は叫ぶ。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:07:32.90 ID:2xBkgRZF0
…あぁ、そうか。どうして、こんな簡単なことに気が付かなかったんだろう。川内さんの言うとおりだ。私が目指していた強さはきっと私には似合わない強さだったんだ。私が手に入れるべきだった強さはきっと…
どうして…どうして、手遅れになった今気づくんだろう。戻りたい。時間を巻き戻して、やり直したい。手遅れになる前に。
吹雪「睦月ちゃん!」
24:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:08:41.54 ID:2xBkgRZF0
♦ ♦ ♦ ♦ ♦
夕立「…もう…せんだいさん…っぽい!」
騒がしいなぁ。…あれ、なんだかふわふわする…あれ、私…
25:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:09:28.55 ID:2xBkgRZF0
睦月「ご、ごめんなさい…ヒッヒグッ、む、睦月…吹雪ちゃんに…グスッ」
また涙が溢れ出してくる。今更になって自分のした行為の浅はかさに胸を締め付けられる。
夕立「あ、睦月ちゃん起きたっぽい?ほら、川内さん謝るっぽい!」
26:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:10:46.78 ID:2xBkgRZF0
私から吹雪ちゃんに言葉を発することなど許されない。私はただ下を向いて震える。
吹雪「夕立ちゃんがね…」
吹雪ちゃんが言葉を紡ぐ。
27:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:12:38.33 ID:2xBkgRZF0
吹雪ちゃんが夕立ちゃんの事を好きなことくらいわかってる。それでも言葉にしたらその現実はまるで本当に質量を得たように私を抑えつける。
吹雪「え…?そ、その睦月ちゃんなにか勘違いしているみたいだけど…た、確かに夕立ちゃんの事は好きだけど…その、恋愛的な意味で好きってわけじゃないよ…?」
睦月「うそっ!だって、吹雪ちゃん、夕立ちゃんと話す時だけ他の人と態度がちょっと違うんだもん!私、吹雪ちゃんの事ずっと見ているからわかるもんっ!」
28:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 18:15:44.96 ID:2xBkgRZF0
吹雪「私も睦月ちゃんが好きだよ?」
遥か彼方。私の手の届かない場所にあった声が…今度は私に向かって飛んでくる。吹雪ちゃんの声が私の耳に届く。
その言葉で、私は何を思ったのだろう。自分の気持ちなのに何が何だか分からない。頭が混乱する。
29:名無しNIPPER[sage]
2017/06/30(金) 19:06:24.24 ID:5bljSuyAO
乙
一瞬夕立→睦月のトライアングルに見えたのは秘密
30:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/30(金) 23:11:35.11 ID:NVF0BN/I0
アー、アー、イイ……
この報われ無さそうな三角関係イイぞ!
と思って読み始めたので、吹雪→夕立が勘違いでしたで済まされてしまったのがちょっと残念
でもすごくよかった! ぜひまた百合を書いてほしい
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