9: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:37:22.57 ID:tI5dYSFO0
モバPさんがお風呂から上がって、夫婦の時間となりました。
最近じゃあめっきり回数も減って、その、そんなに欲しいわけじゃないんですけど、
でも魅力がなくなったのかなぁなんて嫌なことも考えちゃいます。
10: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:41:53.10 ID:tI5dYSFO0
まだ小学生だった頃の話です。
お友達がお家に遊びに来て、私の部屋の壁のシミが『人の顔に見えるね』なんて一言漏らしました。
それからしばらくは一人で眠ることができなくなったのを覚えています。
11: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:45:12.60 ID:tI5dYSFO0
ピロンと軽快な音がなります。
テーブルの方を見やると、旦那様のスマートフォンが無造作に置かれてありました。
「あ、……忘れ物」
12: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:48:31.43 ID:tI5dYSFO0
「あ、お母さん……? うん、響子だけどね」
電話口のお母さんはいつもの調子で、結婚する前からのお決まりの質問を投げかけるだけ。
「うん、うん。孫? うーん、あははははは」
13: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:50:37.00 ID:tI5dYSFO0
全てを打ち明けてしまいたい。
最近一緒にご飯を食べてくれないこと。
夫婦のスキンシップがめっきり減ったこと。
14: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:54:18.75 ID:tI5dYSFO0
事務所に向かう足取りが重いです。
こんな顔のお嫁さんが職場にお邪魔していいんでしょうか。
ありもしない妄想がどんどん膨れ上がって行きます。
15: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 20:01:47.69 ID:tI5dYSFO0
「え? 響子?」
私を出迎えたのは間の抜けた旦那様の顔。
他のアイドル達も鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていました。
16: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 20:05:41.04 ID:tI5dYSFO0
そっか。最近ずっと帰りが遅かったのはこのためだったんですね。
ふと、目の奥がじんとしてきました。
鳥肌が止まらなくて、思わずしゃがみこんでしまいました。
17: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 20:12:04.55 ID:tI5dYSFO0
準備が終わる頃にはすっかり日も暮れて、目の前にはごちそうが並んでいたのですが、私は食べることができませんでした。
それはモバPさんに怒っていたからです。
「響子ぉ。いい加減機嫌直せよー」
18: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 20:15:07.91 ID:tI5dYSFO0
お酒が進んで宴もたけなわになって来ました。
相変わらずモバPさんは色々なアイドルに絡まれています。
薫ちゃんってお酒癖悪いんですね……。
19: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 20:19:33.41 ID:tI5dYSFO0
「私、以前プロデューサーさんに聞いたことがあるんですよ。『どうして響子ちゃんだったんですか』って」
しんみりと遠くを見ながら楓さんが盃を傾けます。
「そしたらあの人、いつになく真剣な顔で」
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