【モバマス短編集】「築き上げたもの」
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9: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/24(土) 19:37:22.57 ID:tI5dYSFO0
モバPさんがお風呂から上がって、夫婦の時間となりました。

最近じゃあめっきり回数も減って、その、そんなに欲しいわけじゃないんですけど、

でも魅力がなくなったのかなぁなんて嫌なことも考えちゃいます。

「モバPさん」

隣でうつらうつらと船をこぐ旦那様を呼んでみました。

「ん、どしたー」

応急処置が完治への近道なはずです。

「最近お仕事忙しいですか?」

「そうだなぁー。再来月にでかいライブがあるけど、別にだなー」

「そうなんですか。誰のライブなんですか?」

「んー? 千枝と桃華と薫。今のうちの稼ぎ頭……」

「そう、……ですか」

女優業へと転向した楓さんとは全く関係ない。

元年少組と楓さんが特別親しいイメージもない。

胸の中が不安で圧しつぶされそうになります。

聞いてスッキリしたい。でも余計辛くなるかもしれない。

「モバPさん……」

もぞもぞと彼の元へすり寄って行きますが微動だにしません。

昔はどんなに疲れていても、胸板に頭を乗せれば優しく撫でてくれました。

「………………」

結局その晩、彼の手が私の髪に触れることはありませんでした。


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