6: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 13:59:58.06 ID:eLlVio3H0
殺人事件に対しての感想が「退屈」では、あまりにも死者に不躾だと思うだろうか? しかもそれが解決となれば、傲岸不遜も極まりないと思われても仕方がない。
ただ、それは稀有のことを知らない人間の考えである。そんな人間のことを俺は勘案しやしないし、稀有自身、そんなやつらのことなぞはどうでもいいに違いない。
「……いや」
どうでもいいと思っているのなら、稀有はやさぐれなかったはずだ。彼女の心に刻まれた傷は深い。疑心に暗鬼が住み着いた、ゆえに他者を渇望するという矛盾。
稀有の悲しい顔は見たくなかった。見飽きたから、もう一生分の悲しい思いや辛い経験をしたと、そう思っているから。
なんてのは少しクサすぎるか。
「まぁ、ぱぱっと行って、ぱぱっと終わらせましょう。午後からは何も入ってないんですよね? でしたら、そうですね。一週間ほど早いですが、豪雨さんの勤務半年おめでとうパーティでもしましょうか」
「お前にそんな粋な計らいができるとは思わなかったな」
「嬉しい時は素直に表現してくれたほうが、こちらとしても嬉しいです」
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