八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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37: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 19:04:29.58 ID:/+LAMdvF0
「あら、比企谷くん」

「雪ノ下か」

 俺と同じく目当ての品を買えたのだろう、雪ノ下が俺に声をかけてきた。


「プレゼント、決まったのかしら」

「まあな、お前はどうなんだよ」

「私も決まったわ、相模さんと三浦さんのアドバイスのお陰でね」

「そっか」

 ふと三浦と相模の方を見る。

 小町が間に立っているように見えたが、相応に仲良く接しているように見えた。


「小町さん凄いわ……人の間にどんどん入って、場の空気を乱すことなくスムーズに進めているんですもの……」

「あいつは人のそういうとこ、よく見てるからな。由比ヶ浜に影響されたってのもあるんだろう」

 兄の俺がこんなんだからこそだろう、その駄目な部分を教訓に、小町の対人スキルと立ち回り方には、俺には真似できない物が幾つもあった。

 それは俺と雪ノ下と相模の間を取り持った事もそうだが、過去を遡れば川崎の件しかり、去年の合宿しかり、文化祭打ち上げの件しかり、小町の立ち回りで人が集まる場面が多々あった。

 小町はどんな人にも臆する事無く入って行き、そこに問題があればその解決の為に自分にできる事を最大限やろうとする。

 実際、雪ノ下が三浦のアドバイスでプレゼントを決めた事も、三浦と相模がああしてお喋りをしている事も、小町の尽力が大きい要素だろう。

 兄としてそれは誇らしくもあり、不憫に感じる所でもあった。


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