八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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26: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 18:40:34.60 ID:/+LAMdvF0
「比企谷、去年うち、すごく酷いことしたよね、本当にごめん」

「…………」

「文化祭でわがままやって、見栄張って……調子に乗って、いじけて、投げ出して、それから比企谷にバカみたいな嫌がらせして……体育祭でもそう、認めて貰いたいって、反省してんじゃんって子供みたいな事言って……ほんと、最低だったと思う」

「でも、今なら分かるんだ、文化祭の時も体育祭の時も……比企谷はうちの事、助けてくれようとしたんだって」

「やめろ、俺は別にお前なんか助けちゃいない」

 そっぽを向きながら俺は返す。

 相模が何を思おうが勝手だが、勝手に自分の都合の良いように解釈するのはやめてくれ。そんなんじゃない。


「雪ノ下さんも、うちが無責任な事したせいで倒れて、体育祭でもたくさん迷惑かけたよね……本当にごめんなさい」

「それは違うわ。あの時姉さんの挑発を流せなかった私にも責任はあったもの……」

 往々にして人はその時の間違いに気付かず、気付く時はいつだって全てが終わった後、失ってから初めて気付かされる時もしょっちゅうある。

 そして、彼女もきっとそうだったのだろう。

 体育祭の後、相模に何があったのかを俺は知らないし、聞くつもりもない。

 だが、それが結果として今の相模に変化を与え、失っていた事に気付けたのなら。それはきっと…………。


「ま、お前が今いくら謝っても、俺がされた事はなかった事には出来ないけどな」

「……うん、分かってる」

 そう、どんなに悔やんでも、反省をしても、過去は帳消しには出来ない。

 だが、未来を変える事は出来る。


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