【モバマスSS】あやかし事務所のアイドルさん 個別ルート・肇編
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29:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 00:59:02.74 ID:OYIntdXm0
何度も口をゆすいだプロデューサーは眠気も酔いもすっかり吹き飛んだようです。

「まだ口がひりひりする…で、何事なんだ?」

「説明する前にいくつか確認したいのだけれど、体調は大丈夫かしら? 酷く怠かったりどこか痛かったりはしない?」
以下略 AAS



30:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 00:59:40.97 ID:OYIntdXm0
「それじゃあ次の質問…」

「あ、ちょっと待った、その前にひとついいか」

「あら、どうかした?」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:00:12.84 ID:OYIntdXm0
プロデューサーが記憶を無くした後のことを奏が話し始めると、紗枝はさりげなく話の輪から離れました。

「ふぅ…結界は得意なつもりやったんやけどなぁ…」

プロデューサーには見えていませんが、今もまだ部屋の外から瘴気は入り込んできています。
以下略 AAS



32:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:00:42.93 ID:OYIntdXm0
ここで時間を少々戻して、場面は肇と文香とみくの三人がリビングを出たところへ移ります。

「肇チャン、その瘴気はどうにか止められないのにゃ?」

「ええ、これでも、抑え込んでいるつもり、なのですが…」
以下略 AAS



33:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:01:18.44 ID:OYIntdXm0
座布団に腰を下ろすと、肇はぽつりぽつりと話し始めました。

「私の村で行われた犬神憑きの儀式は、多数の犬を殺し合わせて生き残った一匹を顔だけ出して地面に埋め、限界まで飢えさせて首を刎ねるというものでした」

「ひ、酷過ぎるにゃ…」
以下略 AAS



34:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:01:44.81 ID:OYIntdXm0
「ええー、シリアスな空気が木端微塵にゃ…」

「つまりは嫉妬、ですか……そうなると鎮めるのは難しいかもしれませんね……」

「え、嘘、シリアスモード継続!?」
以下略 AAS



35:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:02:14.12 ID:OYIntdXm0
部屋に重苦しい沈黙が訪れたその時、ノックの音と共に扉が開きました。

「やほー、こっちはどんな感じ?」

「……芳しくはありませんね。瘴気の原因ですが、かくかくしかじか」
以下略 AAS



36:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:02:45.60 ID:OYIntdXm0
二人が部屋を出て行った後、文香が俯いたままの肇にどう声をかけようか迷っていると、肇は何かを決めたようでした。

「…うん、それしかなさそうですね」

ぽつりと呟き顔を上げた肇の目には覚悟の光が灯っていました。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:03:16.13 ID:OYIntdXm0
「…プロデューサーさんの事を忘れてしまうなんて、そんなの嫌に決まっています! でも、でも他にどうすることも出来ないじゃないですか!」

「大好きだから傍に居たいのに、大好きだから大切にしたいのに、大好きなせいで傷付けてしまうなんて、そんなの…そんなのあんまりです!」

「せっかく両想いだって分かったのに! ずっと一緒に居たかった! 好きだって伝えたかった! 恋人になれたらやってみたいと夢見ていたことだって、たくさん、たくさんあるんです!」
以下略 AAS



38:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:03:58.88 ID:OYIntdXm0
胸に顔をうずめて涙と本心をこぼす肇の背中を、文香はそっと撫でてあげました。

泣きじゃくっていた肇もしばらくそうしていると落ち着いたのか、もぞもぞとハグから解放してもらうとティッシュで鼻をかみ、照れくさそうに笑いました。

「すみません、みっともないところを見せてしまいました」
以下略 AAS



39:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:04:29.48 ID:OYIntdXm0
リビングには紗枝たちの張った結界を境にして瘴気が立ち込めていました。

「これは……予想以上に事態は逼迫していますね」

「はい。ですので急いで現状と打開策の説明をしたいと思います。申し訳ありませんが、もうしばらく結界の維持をお願いしますね」
以下略 AAS



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