【モバマスSS】あやかし事務所のアイドルさん 個別ルート・肇編
1- 20
38:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:03:58.88 ID:OYIntdXm0
胸に顔をうずめて涙と本心をこぼす肇の背中を、文香はそっと撫でてあげました。

泣きじゃくっていた肇もしばらくそうしていると落ち着いたのか、もぞもぞとハグから解放してもらうとティッシュで鼻をかみ、照れくさそうに笑いました。

「すみません、みっともないところを見せてしまいました」

「みっともなくなんて……第一、私が言わせてしまったようなものですから」

「ふふ、確かにそうかもしれません。でも、ありがとうございます。少しスッキリしました。それに、あのままリビングに降りていたらプロデューサーさんたちの前で感情を溢れさせてしまったかもしれませんから」

先ほどまでよりも自然な笑顔を浮かべると、肇は改めて立ち上がりました。

「さて、いつまでも紗枝ちゃんたちに負担をかけるわけにはいきませんし、私たちもリビングへ向かいましょうか」

「ええ。私は少し自室から取ってくる物がありますので、先に降りていてください」

肇と別れ、自室に入った文香は棚から一冊の本を取り出しました。

「……騙すような真似をして申し訳ありません。でも、私は……」

文香はそう呟くと、本を小脇に抱えて早足でリビングへと向かいました。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/49.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice