【モバマスSS】あやかし事務所のアイドルさん 個別ルート・肇編
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33:名無しNIPPER
2017/06/15(木) 01:01:18.44 ID:OYIntdXm0
座布団に腰を下ろすと、肇はぽつりぽつりと話し始めました。

「私の村で行われた犬神憑きの儀式は、多数の犬を殺し合わせて生き残った一匹を顔だけ出して地面に埋め、限界まで飢えさせて首を刎ねるというものでした」

「ひ、酷過ぎるにゃ…」

「一般的な手法に蠱毒が合わさった形、なのでしょうか……」

「そんな成り立ちですから、犬神が抱えた人への恨みはとても大きな物です。長い年月を経ても風化しないほどに」

「ということは、やはりその瘴気は……」

「…はい、私の中で目覚めた犬神によるものです」

「で、でも、今まで眠りっぱなしだったのになんで急に目を覚ましたのかにゃ?」

「…儀式で殺し合わされた犬の中には、犬神の伴侶だった相手も居たんです。薬で理性を消され、訳も分からぬまま愛した相手を手にかけた。犬神憑きとなった時、私の中に流れ込んできた感情は恨みだけでなく、愛する者を失った深い悲しみもありました」

「…つくづく碌でもない儀式だにゃあ」

「! まさか、犬神が目を覚ましたきっかけは……!」

「…私とプロデューサーさんが両思いだということが分かったから、でしょうね。犬神が目を覚ました時に頭に響いた声からも間違いないかと」

「響いた声とは……?」

「『リア充死すべし、慈悲は無い』です」

「現代に毒され過ぎてるにゃ!?」

こんな時でもみくのツッコミは絶好調でした。


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