2: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:29:24.46 ID:XeQ2hXzAo
「あーたーらしい あーさがきたー」
3: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:30:38.17 ID:XeQ2hXzAo
鏡に向かう。そろそろプロデューサーが迎えに来る時間。
彼とは気が置けない関係だからと言っても、そこはそれ。
やはりきちんと整える必要はあるのだ。
ふむ。
4: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:31:49.32 ID:XeQ2hXzAo
私は、シンデレラガールに選ばれた。
いや、選んでいただいたという方が正しい。
確かに、選ばれて以降私の仕事は加速して増していった。
5: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:33:24.59 ID:XeQ2hXzAo
今日もまた、プロデューサーが車で迎えに来てくれた。早速車で、現場へと向かう。
今までなら、変装して電車に乗るなどということも、多少は目こぼしされてきた。
モデル時代の癖が染みついて、送迎付きなどというお大尽に慣れないのだ。
今はさすがにそうはいかない。
6: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:34:45.37 ID:XeQ2hXzAo
本来こうしてプロデューサーがアイドルにかかりきりになることは、ほとんどない。
もちろん彼も、一日ずっと一緒にいるわけじゃない。
ただ何が私に必要なのか、何が彼に必要なのか、それを分かっているから。
朝の短い移動は私たち二人に、モチベーションを運んでくれる。
7: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:36:22.86 ID:XeQ2hXzAo
新曲の打ち合わせと、インタビュー。
珍しく午前中いっぱいは、プロデューサーと一緒にいる。
彼のスタイルなのか、私は製作現場に最初から関わっていることが多い。
「楓さん、こういうの好きでしょう?」と事も無げに言って、デビューシングルの時からこのスタイルを貫いている。
8: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:37:22.39 ID:XeQ2hXzAo
答える私の表情を見て、プロデューサーは苦笑を浮かべ。
「いや、なんかにやけてるので、またすべるダジャレ思いついたのかなあ、って」
9: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:39:05.39 ID:XeQ2hXzAo
午後。
レッスンルームへとお届けされ、プロデューサーは事務所へと戻る。
書類仕事などなど。事務所に帰れば帰ったで、仕事は山ほどあるそうな。
ご愁傷さまと思いつつ、レッスン着に着替える。
10: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:39:58.12 ID:XeQ2hXzAo
「それでは」
夜。
どうにか仕事をやっつけたプロデューサーと連れ立って、飲みニケーション。
11: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:41:22.83 ID:XeQ2hXzAo
いつの頃からだろう。
こうしてお酒がおいしいと感じるようになったのは。
ほろ苦いような、焼けるような。それでいてどこか甘ったるさがあるような。
そんな味とも言えない味を、今の私はおいしいと感じる。
12: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:42:08.25 ID:XeQ2hXzAo
「今日、ふと思ったんです」
私はプロデューサーに打ち明ける。
20Res/11.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20