5: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:34:34.58 ID:7zKxpJxVo
「うーっす、ただ今戻りましたー」
「あっ……おかえり、親友」
「おう、ただいま」
6: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:35:26.00 ID:7zKxpJxVo
「! どうして分かったんだ……? まさか、サイキック?」
「サイキックですって!?」
「いや、愛梨のTwitterで昨日輝子とカフェに行ったって言っていたからさ」
7: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:36:08.88 ID:7zKxpJxVo
「良いのか? 放っておいて」
「あー、うん。良いんじゃない?」
自らを透明人間だと思い込んでいる美少女が部屋を出て行くまで俺と輝子は踊り狂う彼女を観察していた。
8: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:37:32.38 ID:7zKxpJxVo
「でも……私も、自分の誕生日を忘れていたから、あいこだよ」
「えっ?」
「今まで親以外に祝ってもらうことがあまりなかったから……フヒッ」
9: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:38:30.31 ID:7zKxpJxVo
「輝子のバースデーパーティーだよ。6日は皆で輝子を祝うんだ。これまで祝ってもらえなかったのなら、その分祝ってやる。だから……えーと」
言葉が続かない。言いたいことはわかっているのに、俺もこういうのには慣れていないだけにしどろもどろになってしまう。そんな俺がおかしかったのか、
「それは楽しみだぞ、親友」
10: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:40:26.05 ID:7zKxpJxVo
「輝子ちゃんのバースデーパーティーですかぁ、ふふっ。楽しみですね」
「ひょっ!? ま、まゆ? いたのか」
「うふふっ。ずっと見ていましたよ。仲良さそうなので邪魔しちゃ悪いと思って机の下に隠れていました」
11: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:41:41.70 ID:7zKxpJxVo
「輝子ちゃんのお誕生日会だなんて、素敵ですね。まゆ、頑張ってお料理つくりますよ」
「もりくぼも微力ではありますが協力したいんですけど……いらないからそのへん走ってろって言われたらその辺走りますので……。あと美玲さんにも声をかけておきます」
「いや、言わないって。でも嬉しいな、事務所のみんなにも祝って貰えたら輝子も喜ぶだろうし」
12: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:42:36.06 ID:7zKxpJxVo
それから俺たちは輝子の誕生日パーティーの準備に取り掛かった。
「お誕生日会ですか!! これは気合入れていきましょうね!!!!」
「ケーキなら私の得意分野ですねー! よーし、腕によりをかけて作っちゃいますよー。当日お仕事で行けませんから、気持ちはたくさん込めますね!」
13: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:43:17.30 ID:7zKxpJxVo
パンッ!!
「わっ!!」
「「ハッピーバースディ!! おめでとう輝子ちゃん!!」」
14: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:45:45.65 ID:7zKxpJxVo
「今日は楽しかったな、親友……生まれてから、一番楽しい誕生日だった」
「そっか。喜んでくれたのなら何よりだ」
楽しむだけ楽しんで、大声でヒャッハーして沢山のプレゼントを貰って。輝子にとっての最高のパーティーも終わり、俺たちは夜の道を歩いていた。寮にすぐに戻ることも出来たけど、輝子の興奮は冷め切らないようで歩こうと誘われのだ。俺の隣を歩く輝子は上機嫌で今にも鼻歌を歌いそうでいた。
15: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/06/06(火) 00:46:32.47 ID:7zKxpJxVo
「また来年も、あるのかな……?」
「また来年もあるさ。今年よりも、多くの仲間が祝ってくれるよ」
「それは、楽しみだ……フヒッ」
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