7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:21:33.42 ID:WImztSHAo
「……………………う、うわわわ」
凄い。物凄い。やばい。たいぎゃやばい。何がどう凄いのか、やばいのかを具体的に言うことは、さすがにアイドルとして、乙女として、少女として、或いは善良なる一般人として、できないけれども、とにかくやばいし、凄かった。
まさしく未知なる世界。知っているはずの人体であるというのに、そのようなことになっているとは、そんな使い方をするとは、いやいやなにこのグロテスクな電動マッサージ機は、みたいな。
8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:22:06.93 ID:WImztSHAo
「あわわ………ふわわ……はわわ」
美穂は相変わらず顔を真っ赤にしながら、たまに本を遠ざけたり、目を覆ったりしながらも読むことをやめない。
けっして官能的ではない、ただただ純情な少女が慌てているだけの変な声を出しながら、エロ本を読み耽る。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:22:33.56 ID:WImztSHAo
「ひゃああっ!?」
「わあっ!?」
10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:23:00.12 ID:WImztSHAo
「な、なんですか美穂さん、そんな声を出して。びっくりするじゃないですか。おや、何か読んでいるんですか?」
なので、少しでも幸子が動けば当然、何か雑誌らしきものを広げているということは遠目でも確認できてしまうのだ。
しかし、何を読んでいると聞かれると答えに困る。何を読んでいるというか、ナニするものを読んでいます、なんて正直に答えるわけにはもちろんいかない。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:23:31.86 ID:WImztSHAo
まあ、美穂という天使がそのような言葉を使うはずもなく、そもそもナニをする本です、なんて発想をこの場で思いつくほどに余裕もない。
美穂の頭にあるのは、ただシンプル。
如何にこの場を乗り切るか、だけだ。
限りなく不可能にちがいないことを如何に可能にするか。不可能を可能にすることができる熊本女子になれるかだ。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:23:58.17 ID:WImztSHAo
「ところで美穂さん、聞いてくださいよ」
「ストップ。ステイ。フリーズ!」
13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:24:46.45 ID:WImztSHAo
「幸子ちゃん、そこから一歩でも動いたら……ひなたんビームを撃つよ!?」
「むしろ撃たれてみたいですねぇ」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:25:13.59 ID:WImztSHAo
もちろん、美穂としては望まれれば膝枕をすることはやぶさかではないだろうし、きっと困り笑顔で受け入れるのだろうが、しかし今はそれどころじゃない。
エロ本を始末しないことには膝枕もなにもない。
膝枕をして読み聞かせる本がエロ本だったとしたら、世紀末極まる。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:25:46.16 ID:WImztSHAo
それが何なのかまでは、さて見当はつかないけれども、本を隠しているということは間違いない。
隠さないといけない、本。
………………………。
幸子の14歳という思春期の脳がフルに回転して、答えを導き出すのに、そう時間がかかることではなかった。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:26:46.43 ID:WImztSHAo
「い、いえ、けっして引いてたりなんてしませんよ! むしろ美穂さんもそういうのに興味があるんだなって感心したくらいで!」
「そういうのってなんなのか私知らないなー! まったくわかんないなー!」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/06(火) 00:27:16.41 ID:WImztSHAo
「…………っ………っ!」
一言もえっちな本なんて言ってないです、とツッコミたいところだったが、幸子はぐっと堪えた。
それが、せめてもの情けだった。
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