4: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:02:52.93 ID:M0dxYweBo
アイドルをやっていたら、色々なことが、ぽこぽこ生えるキノコみたいにいっぱいあった。
日陰でジメジメした誰かのために叫べるようになった。
好きなものを好きだと思いっきり歌って輝けるって知った。
5: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:03:49.20 ID:M0dxYweBo
トモダチが増えた。
6: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:04:31.62 ID:M0dxYweBo
キノコたちに支えられて、親友がいて、ユニットの仲間たちがいて……
ずっとボッチバースデーだったけど、もしかしたら、もしかして、ちゃんとハッピーバースデーってお祝いしてくれるんじゃないかな……?
キノコがいっぱいのお部屋で、お誕生日会をする。
7: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:05:53.24 ID:M0dxYweBo
――かどうかというタイミングで、ドアを激しく叩く音が聞こえた。
8: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:06:54.25 ID:M0dxYweBo
間抜けな声を出す幸子ちゃんをほっといて美玲ちゃんがむりやりフードを被せてきた。
完全に視界を奪われたまま、手を引かれてどこかへ連れてかれていく。
女子寮の廊下をぺたぺた歩く自分の足を眺めながら、幸子ちゃんと美玲ちゃんにぐいぐい引っ張られていく。
9: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:07:21.77 ID:M0dxYweBo
あちこちから何かが破裂するような音がして紙テープが空中を跳ねまわる。
「輝子ちゃん!! お誕生日おめでとう!!」
10: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:08:09.41 ID:M0dxYweBo
全く止まらずにあちこちから言葉の雨が降ってくる。結構な人数が、こんな時間にいるけど……
もうちょっとしたパニックだ。何だコレ。何だコレ!!
「えへへ……びっくりした? 輝子ちゃん」
11: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:09:39.64 ID:M0dxYweBo
「いやあ、結構大変だったんだぞ? スケジュール合わせて、ここの食堂の使用許可申請して、結局断られたけど無理やりに勝手に使って……」
「え゛っ!?」
12: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:10:29.89 ID:M0dxYweBo
「単純な話だよ。声かける前にみーんな『私もお祝いしたい!』って自分から参加してきたんだ。輝子の誕生日って聞いてな」
私は、それを聞いてまた呆然としてしまった。
確かに、友達が増えたとは思うけど、お祝いを一言もらえたら十分だと思ってたのに。
13: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:10:56.80 ID:M0dxYweBo
「で、でも、私は、ボッチで変なヤツだから……誕生日も、キノコと、親友と、あと……」
「あと?」
14: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/06/06(火) 00:12:55.71 ID:M0dxYweBo
「……私、ボッチじゃ、ない……?」
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