15: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:03:59.22 ID:eT+S8Zf10
「何って、そりゃあ……」
当たり前のことすぎて、彼は続ける言葉を失った。
柔らかく、ふんわりした雰囲気。
16: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:04:28.75 ID:eT+S8Zf10
――――――
「アイスコーヒーとアイスミルクティーで」
以前と変わらない注文。
17: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:05:04.01 ID:eT+S8Zf10
「私ずっと悩んでたことがあるんです」
「それがゆるふわについて?」
18: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:05:48.05 ID:eT+S8Zf10
それがゆるふわとどう関係があるのか。
そして、ふと彼は気づいた。
―時計を見ていなかったんです。
19: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:06:32.42 ID:eT+S8Zf10
「……昔の話です。ある女の子がいました。女の子はいっつも学校に遅刻しています。
遅刻するたびに怒られて、遅刻するたびに女の子はこう言うんです。『時計があっという間に進むの』って」
何の話だろう。
20: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:07:07.68 ID:eT+S8Zf10
「けれど女の子は、私はアイドルになって現実を突き付けられたんです。
―ゆるふわアイドル―
21: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:07:59.08 ID:eT+S8Zf10
「……藍子はゆるふわって言われるのが嫌なのか?」
絞り出したのは、質問を質問で返すことだった。
それでも、彼にとっては会話を続けることが必要だった。
22: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:08:36.18 ID:eT+S8Zf10
「……俺がそんな認識を変えてやるよ。
藍子が自信を持てないなら何度だって魅力を伝える。
ゆるふわが辛いならそれが良いものなんだって思えるまで気持ちを伝えよう」
23: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:09:11.46 ID:eT+S8Zf10
「私は……」
「うん」
24: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:10:01.58 ID:eT+S8Zf10
――――――
「落ち着いたか?」
数分の後に、藍子は泣き止んだ。
25: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:10:33.14 ID:eT+S8Zf10
「さ、仕事に戻ろうか。まだ今日の仕事が残ってるもん、な……?」
彼の語尾から力が抜ける。
外を見たまま固まってしまったので藍子は釣られて視線を外に向ける。
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