ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/06/04(日) 16:19:40.73 ID:cQX9e7Qho
結局、七重が心配したような大事に至る事もなく、
わたしはただ三日ほど眠り込んでしまったらしい。
しかし、二度も突発性居眠り病に、しかも立て続けにかかってしまっては、
父の心配も深刻さを増すだろうという、
一の勝手な配慮によって、わたしは体内時計を一時的に早巻きにされ、
目が覚めた時は自宅の布団の上だった。
机の上の、七重の字の書き置きによって、わたしはそのことを知った。
三日分余計に歳をとったことになるが、
寝ていればどうせ同じことだからやはり感謝すべきなのだろう。
携帯で確認すると、あの戦いから数時間も経っていなかった。
いつも通り起床する時間も近くなっていたし、
わたしは家事と、学校に行く準備を始めたのだった。
それから、何事もない日々が続いた。
わたしは気づけば能力者としての力を全て失ってしまっていて、
もう閉鎖空間を感知することができなくなっていた。
そして、『機関』の方から知らされることもなく、わたしと七重はただ平穏の中にいた。
学校生活での変化はと言えば、他クラスではあるが、
あの先輩が同級生として転入してきたことである。
情報統合思念体のインターフェースとしての一面を持つ彼女は、
七重の観測役の任務だけ長門さんから引き継いだのだそうだ。
だけどわたしが思うに観測する役目というのは、
もっと引き気味なスタンスの人がやるものだと思う。
転入早々、自己紹介からしてクラスを湧かせたらしい彼女は、
今や次の学期は委員長、はたまた生徒会長と目されると風の噂に聞く。
そうそう、新しい部活を作ったから入らないかと誘ってくれて、
そう言えば何の部にも所属していなかったわたしと七重は、
彼女の人柄に引かれて、何の部活か確かめもせずに用紙に名前を書いてしまった。
部はいきなり作れないから正しくは同好会というのだろうか。
彼女自身、やりたい案が膨大にあるようで、
幾つかにまとめるからその時また意見を聞かせてほしい、とのこと。
今までとは違う方向に、つまり学校生活の方が賑やかになってきた。
でも、もう閉鎖空間に出入りすることはないが、
わたし達を脅かすあの存在が全て消えてしまったわけではなく、
『機関』の戦いは続いている。
なのにあれ以来、一度連絡をとった柊さんや森さんに会うこともなくなってしまった。
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