ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/31(水) 19:08:05.75 ID:LYacroRjo
じりじりと円をせばめるように方々から低い唸り声が近づいてくる。
多丸圭「地下へ逃げ込むか」
古泉「いえ。素早くは動けませんし、背を向けると追ってくる。
今まで助けた人々も危険にさらすことになります」
多丸圭「そうだな。しかし、俺がおとりになる。
そのすきに地下に駆け込んで危険を知らせろ」
そのとき、地下から駆け上がってきた人物がいた。
「サキーーーーッ!」
最上段の踏み面にかけた足のばねのおつりに一瞬、
身体を浮くように揺らめかせたその人物はわたしと目が合うなり、
片足に体重をかけたままピボットターンとクラウチングスタートを同時にやってのけた。
この状況下、わたしの後方での一連の動きは首だけ振り返り見届けるしかなかったのだが、
その突発性は間近に迫る獣の群れの攻撃のきっかけになってもおかしくなかったはずだ。
あるいは、この人物のあまりに煌々たるオーラに気圧されでもしたのだろうか。
駆け寄るなりわたしを心配しながら、今度は代わりに女性を背負おうかとあたふたしだす。
当人は真剣そのものなのに場違いに駘蕩な空気をどうしても醸し出してしまい、
柊さんも圭一さんも何とも言えない表情で見守っている。
わたしはしょうがなく小声でぶっきらぼうに応えるよりほかない。
サキ「ナナ、どうして来たの? ていうかどうやって来たの?」
七重「分かんない。気づいたら来てたの。サキ、大丈夫?」
サキ「いや。悪いけど、絶体絶命よ」
七重「えぇっ!? やっぱりお兄ちゃん呼ぼうか?」
サキ「あいつには死んでも頼らん。あとここ電波届かないわよ」
七重「えぇっ!?」
七重がこんな場所にいるのがおかしいのか、こんな場所があるのが七重に許されないのか。
状況の緊迫性は変わらないままなのに心情だけがフラットにさせられてしまう。
しかしさすが、圭一さんと柊さんは切り替えも早く平然とした様子に戻っていた。
古泉「七重ちゃん、小坂。道は僕がひらくから、二人とも早くここから脱出するんだ。
小坂、その女性と圭一さんは任せたぞ」
サキ「え?」
柊さんに異変を感じた。
古泉「この場所からは必ず無事に帰すから」
柊さんの右手が青白い光に包まれている。
わたしはそれを見て何かとてもヤな予感がした。
言うなれば死亡フラグ。弟子達を守るために師匠が命と引き換えの大技を放ち、
しかもさらに悪い場合犬死にに終わってしまって、
結局残された弟子が悲しみと怒りで真の力に目覚め、敵を撃破するシチュエーション。
冗談じゃない。そんなドラマツルギーのために死なれてたまるか。
わたしは口走っていた。
サキ「待って下さい! わたしに考えがあります」
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