370: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:42:36.79 ID:jvW3su8lO
すこし離れた位置に座って会議を静観していた曽我部は、委員会からの要求を受けてこう答えた。
曽我部「ダメです」
371: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:44:11.47 ID:jvW3su8lO
ほかの委員会メンバーも、曽我部の問いかけに答えず、沈黙したままだった。曽我部はそういした場の空気に憤ったのか、一転して声を荒げて身を乗り出して言った。
曽我部「何もないなら、戸崎先輩の意見に従うのが最善じゃないですか!」
372: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:45:53.80 ID:jvW3su8lO
会議を終えた曽我部はその足で直接大臣の元へと赴いた。カーテンが閉められた薄暗さが包む部屋のなかで大臣は高級椅子に腰掛けていた。
大臣「おつかれ」
373: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:49:29.64 ID:jvW3su8lO
大臣「曽我部、われわれはこの事実を知らない。いいか? 知らないんだ」
大臣「すべてはあの男の身勝手な単独プレー。大活躍してもらおうじゃないか。そして事態が収拾したあかつきには……すべての責任を負って、消えてもらおう」
374: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:50:57.27 ID:jvW3su8lO
田中「あ、ちょっと。佐藤さん」
アジトの通路に棒立ちになっている佐藤の幽霊に田中は話しかけた。
375: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:52:45.32 ID:jvW3su8lO
佐藤「ん? 放任!」
田中「はあ?」
376: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 22:53:57.82 ID:jvW3su8lO
そこで佐藤は一旦言葉を切って、呆れたようにため息をついた。
佐藤「それに比べて奥山君はド下手。本人が器用だから、幽霊にいろいろさせてこなかったんだよ、アレは……」
377: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:00:24.08 ID:jvW3su8lO
>>1です。実はこの後の展開が絶賛難航中でして、今日の本編の更新はここまでになります。
長らくお待たせしたうえに、原作の話をまんま文章化したものしか更新しないのはあまりにもあれなんで、代わりといってはなんですが、ちょっとした番外編3編をこの次のレスから更新していきます。
永井が346プロに入社しているという設定のコメディ的な話です。設定とか時間軸とかキャラまでゆるゆるですが、どうかご容赦願います。
378: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:03:36.10 ID:jvW3su8lO
番外編その@
夏期の長期休暇を目前にしてシンデレラプロジェクトのメンバーたちに立ちはだかったのは、学習範囲が広いことが厄介な期末試験であった。
379: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:06:19.90 ID:jvW3su8lO
永井「それって契約外の業務ですよね」
プロデューサーから講師代理の件を聞かされたとき、永井はそう言った。
380: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:08:00.35 ID:jvW3su8lO
永井が講師を務めることについて、シンデレラプロジェクトのメンバーたちの心持ちは不安がかなりの割合を占めていた。それは永井の能力への不安ではなく、アナスタシアが評した永井の人物像が原因だった。
彼女たちは永井と仕事のうえで付き合いはあったが、親しくはなかった。はじめは美波に話を聞こうとしたものの、亜人を巡る一連の事件で味わった苦悩と心労から解放されたためか、ちょっと度が過ぎるほど褒めちぎるので参考にはならなかった(そもそも九年間はなればなれに暮らしていたうえに、アイドルとしての活動にまったく興味がなかった弟が自分とおなじ職場にいてはやくも成果をあげているのだから、美波としてはうれしさに満ちた気持ちを所構わず話したくてしかたなかった)。
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