新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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380: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/08/12(土) 23:08:00.35 ID:jvW3su8lO

永井が講師を務めることについて、シンデレラプロジェクトのメンバーたちの心持ちは不安がかなりの割合を占めていた。それは永井の能力への不安ではなく、アナスタシアが評した永井の人物像が原因だった。

彼女たちは永井と仕事のうえで付き合いはあったが、親しくはなかった。はじめは美波に話を聞こうとしたものの、亜人を巡る一連の事件で味わった苦悩と心労から解放されたためか、ちょっと度が過ぎるほど褒めちぎるので参考にはならなかった(そもそも九年間はなればなれに暮らしていたうえに、アイドルとしての活動にまったく興味がなかった弟が自分とおなじ職場にいてはやくも成果をあげているのだから、美波としてはうれしさに満ちた気持ちを所構わず話したくてしかたなかった)。

そこで今度はアナスタシアに永井について尋ねることにした。アナスタシアも永井と同じ亜人で、美波すら預かり知らないところで永井と行動をともにしたこともあるらしい。アナスタシアは、まるで数を数え上げるときのような自然で淡々とした口調で言った。


アナスタシア「情け容赦と躊躇がないです」

美波「そっ……んなこと、はないんじゃないかな……?」


美波は思わず声をあげて反論しそうになったが、言葉はあとにむかうにつれた小さくなり、最後のほうは消え入りそうなくらいだった。



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