329: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 13:57:43.47 ID:8mPTevMeO
言葉を切った瞬間、永井は死んでいる中野に向かって駆け出した。突然現れたこの男は、黒い幽霊が視認できていた。腹部に開いた傷口から黒い粒子の放出が始まっている。永井は足を上げ、中野の顎めがけてサッカーボールよろしく蹴りを放つ。
つま先が顎を打つ直前、中野の復活が完了した。中野は反射的に両手で顎を庇い、永井の右足を掴んで引き倒そうとする。だが、蹴りの威力を受け止めきれず、両手を弾かれながら中野は肩を回しながら後ろへ倒れた。永井のほうも足を掴まれたせいで、まるで氷で滑ったみたいに背中から地面に落ちた。中野は体勢を立て直そうと、後ろについた手に力を込めた。
アナスタシア「ふにゃっ!」
中野の右手はアナスタシアのほっぺたを潰していた。中野は手を退け、腕を掴みアナスタシアを立たせようとする。
中野「早く逃げろって!」
アナスタシア「う、うしろ!」
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