25:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 16:16:06.46 ID:U03qxFq4O
バスは目的の鎮守府に着く。
駆逐艦の案内で控え室に通された。
そこで簡単なブリーフィングを行う。
今回の演習は、4対4。
北上は不参加である。
相手の艦種は何が来るかわからない。
その中で出来ることを僕は指示した。
「以上。質問は?」
そう伝えきると、天城が言う。
「問題ありません」
返事を返さない奴らもうなづきはしていた。
だから僕は咎めることもせず、最後に檄を飛ばした。
「頑張れ」
今度は皆返事を返さなかった。
部屋の端にいた北上が、片方だけ唇を釣り上げた。
何を間違ったと言うのか。
僕はその思いが消えないまま、彼女たちを演習場に送り出した。
演習の結果に驚いた。
ほぼ一方的に我が艦隊は負けた。
ボロボロの夕立は面白げもなく言う。
「負けたわ」
僕は疑念を抱く。
それは、天城の口から答えとして聞かされた。
「……サボってそれですか?」
「天城も同罪よ。途中から手を抜いたでしょ」
視線が噛み合う。
僕は、それを止めさせた。
「まあ、いい。それも経験だ」
「偽善だね」
ぼそりと涼風が言った。
僕は無視した。
由良はボロボロのままタバコを吸っている。
誰もが死んだような目をしていた。
そんな彼女たちに入渠するようにいいつけて、僕は控え室を後にした。
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