勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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663:名無しNIPPER[sage]
2017/11/03(金) 02:43:38.32 ID:RBIXGmx60
とりあえず3周年おめでとう!
664:名無しNIPPER[sage]
2017/11/03(金) 02:58:54.10 ID:b990MdY6o
このssはここに来て初めて読んだ話だな
この3年間色んな所でssを読んだけどこれが一番面白いよ
完結寂しいけど最後まで頑張れ!
665: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:17:34.54 ID:uAQKxthS0
1です
今回は故あってトリップ付き
最後の投下を始めます
666: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:18:11.03 ID:uAQKxthS0
667: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:18:47.13 ID:uAQKxthS0
――――雲一つない青空。
一面に広がる黄金色の小麦畑。
涼やかな風がたわわに実った穂を揺らした。
荷台にくくられた馬は、たてがみを靡かせながら街道沿いでのんきに草を食んでいる。
668: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:19:29.38 ID:uAQKxthS0
―――この平和な世の中に、魔物の姿はもはや無い。
669: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:20:14.16 ID:uAQKxthS0
かつて勇者が断行した武力の根絶により徴兵制が廃止になり、多くの人材が野に下ったことで人々の生活文化は目覚ましく発展した。
670: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:20:49.87 ID:uAQKxthS0
生活水準が向上し、医療技術も発展したことで世界人口はどんどんと増加していた。
671: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:21:32.60 ID:uAQKxthS0
「ああ……確かに、世界は平和で、人々は幸せなのだろう。だがな……」
背負っていた小麦を下ろし、汗をぬぐって初老の男性は―――かつて勇者と共に旅をした男―――武道家は、ぽつりと呟いて空を見上げた。
澄み渡る青空の下にありながら、武道家の顔は暗い。
672: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:22:25.48 ID:uAQKxthS0
港町ポルトでは、近年になって実用化された蒸気機関を搭載した船―――『蒸気船』が盛んに行き交っていた。
その船の一つから、港町ポルトに降りる影がある。
肩のあたりで切り揃えられた水色の髪。
優しいまなざしに、老いてなお瑞々しく張りを保つ豊かな胸。
かつての勇者パーティーの一人―――――僧侶だ。
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