勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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668: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:19:29.38 ID:uAQKxthS0
―――この平和な世の中に、魔物の姿はもはや無い。
つまりそれは、『精霊の加護』という現象の消失をも意味していた。
土地を害する魔物が姿を消した今、精霊が人間に力を貸す義理はない。
さりとて精霊は個々人に既に与えられていた加護を殊更に取り立てるような真似もしなかった。
この世界にわずかに残る、その身に精霊加護を宿した人間は、治水工事や農地の造成、その他都市建設などの分野において大いに活躍した。
しかしながら、更にあと三十年も時が経過すれば、加護を持つ人間はこの世に一人もいなくなるだろう。
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