勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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671: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 18:21:32.60 ID:uAQKxthS0
「ああ……確かに、世界は平和で、人々は幸せなのだろう。だがな……」
背負っていた小麦を下ろし、汗をぬぐって初老の男性は―――かつて勇者と共に旅をした男―――武道家は、ぽつりと呟いて空を見上げた。
澄み渡る青空の下にありながら、武道家の顔は暗い。
それはきっと、収穫作業の疲れだけが原因ではなかった。
雲一つない青空に、遠雷が響いている。
武道家「お前の幸せはどこにある? お前は今、笑っているのか? ――――勇者」
今もどこかで、平和維持のための断罪装置として彼はその力を振るっている。
ふぅ、と武道家は深く長くため息をついた。
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