333:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:44:24.22 ID:VfUpLYzMo
麻人と別れて生徒会室に向った私は、いつぞや会長に告白された階段の前で足を止めた。
人の気配と低い話し声に私は気がついた。
思わず姿を隠すように身を潜めて、私はその会話に聞き入った。
334:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:44:53.58 ID:VfUpLYzMo
『え?』
『二見を陥れたのなら、今さら麻人だけ無怪我で終わらせられるわけないじゃん。姉さん
ひょっとして麻人のこと気になるの』
335:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:46:02.41 ID:VfUpLYzMo
この二人が何のことを話しているかということも、聞き耳をたてているうちに、おぼろ
げながら私には理解できていた。この二人は二見さんを陥れたことを語り合っていたのだ
った。
336:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:46:33.63 ID:VfUpLYzMo
一番の被害者は多分麻人と二見さんなのだけど、やはり私が真っ先に考え出したのは夕
也の真意だった。夕也は麻人の親友だった。だからそれが誤解ではないなら夕也が麻人を
陥し入れるれるようなことをするはずがなかったけど、夕也は麻人に対して憤っていた。
私の好意を知りつつ二見さんとの仲を深めて行く彼に対して、夕也は私の気持ちを考えて
337:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:49:02.23 ID:VfUpLYzMo
私はとりあえず今日は麻人に連絡するのを止めた。麻人と二見さんが純粋な被害者であ
るらしいことをようやくあたしは理解したのだけれど、それでも今は麻人に対して今日の
出来事を話すのは早いだろう。私はそう思った。夕也と浅井副会長の目的が理解できてい
るわけではないのだから。そしてここまで考えた私は、この先どういう結論が出るにせよ、
338:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:50:09.57 ID:VfUpLYzMo
お互いに沈黙したままで電車は駅を離れたのだけど、その沈黙を気にしているような様
子は麻人にはなかった。むしろ私が黙ってしまったのをいいことに、再び麻人は自分の思
考に閉じこもってしまったようだった。
339:名無しNIPPER[saga]
2016/08/11(木) 23:50:55.65 ID:VfUpLYzMo
「あれ麻衣じゃん」
麻人は少しだけ驚いたように言った。
340:名無しNIPPER[sage]
2016/08/11(木) 23:51:21.56 ID:VfUpLYzMo
今日は以上です
また投下します
341:名無しNIPPER[sage]
2016/08/12(金) 09:01:09.04 ID:AA8WAh2R0
おつんつん
342:名無しNIPPER[sage]
2016/08/12(金) 15:24:06.24 ID:Zwx7Hx8So
おつ
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