145: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:41:24.78 ID:+IcfBHrRo
「――ジュリウスごめん!俺ちょっと行ってくる!」
その不吉さに呼応するかのように、ロミオが突然"赤い雨"用の防護服を引ったくり、シェルターの外に駆け出していく。
思わず、そのままの格好で私が追いかけようとしたところを、ジュリウスの手に制止される。
146: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:43:31.86 ID:+IcfBHrRo
予告通りロミオ死亡まで
戦闘描写はノッキンオンヘブンズドアを大いに参考にさせていただいてます
147:名無しNIPPER[sage]
2015/09/23(水) 23:48:26.59 ID:6rC3aIrH0
乙乙
楽しみに読んでますぜ
つづき待ってるよ
148: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:36:43.08 ID:xjyru10jo
その言葉だけで一年は戦える
さすがにそこまで長引かないけど投下
149: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:38:00.04 ID:xjyru10jo
◇
昨日発令された拠点防衛任務の、その終盤。
"赤い雨"が降りしきる中、極東支部北方の集落に、嘗て私が対峙した、狼型の"感応種"率いる、アラガミの群れが出現した。
人間は元より、"神機兵"も動かなくなった状況から、その報せをシェルター内で最初に聞いたジュリウスもすぐには動けない。
150: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:40:52.94 ID:xjyru10jo
悲しみはある。
大切な仲間を失った。
怒りはある。
アラガミに殺された。
151:名無しNIPPER[sage]
2015/09/29(火) 00:42:51.17 ID:VntU/VAAO
衝撃的
152: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:43:19.31 ID:xjyru10jo
◇
人の命が失われたところで、戦いも、時も止まる道理はない。
一時は沈静化していたアラガミが早期に行動を再開したことにより、私達には悲しみを癒す隙すら、与えられる事はなかった。
死にゆく者の遺志は受け継がれ、または上書きされることによって、私達は徐々に元の日常へと還っていく。
153: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:46:55.74 ID:xjyru10jo
「皆、不安なのはわかるけど……ジュリウス1人が離れているなら、私達の方から信じないと」
「ジュリウスだって、こんな状況でも私達なら大丈夫だと踏んだから、行動に移してるんだと思う」
「……綺麗事はいい、お前はどう思ってるんだ」
154: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:51:35.11 ID:xjyru10jo
3人と別れ、自室に戻る。
……冗談めかしたつもりだったものの、私は笑顔を作れていただろうか。
尤も、不安げな表情を崩さなかったシエルの様子を見れば、答えは明白なんだけど。
ここ数日では、私も健常な精神でいるとは言い難かった。
534Res/441.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20